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Italia旅行紀

ヴェネツィア Venezia。09/27

昨晩、フェリーから夜のヴェネツィアを眺めました。きれいでした。今日は昼のヴェネツィアを楽しみます。
リド島から本島へ渡らないといけませんので水上バスで本島へ。

サン・マルコ広場

ヴェネツィアの海はラグーナ(干潟)というので、どろどろした色を想像してたのですが、思ったよりきれいな色で、底は白い砂なのかな?と思います。でも結構深そうだし、ここに杭を立てて島を作ったって考ええるとすごいなぁ。
この写真はゴンドラからのもの 島につくとまずドゥカーレ宮殿(Palazzo Ducale)へ。途中「ため息橋」を外から見ます。撮影大会状態。で現地ガイドさんに会うんですが、すごい日本語の上手な方で、「銀ちゃん」と呼んでくださいとのこと。で銀ちゃんと覚えてしまったら本当の名前を忘れてしまいました。(シルバーノとか何とかだったと・・・)
開館前だったのでほぼ一番前で待ちながら銀ちゃんの説明を聞きます。ちょうど満月に近い時期だったので干満の差が激しく、満潮時は海面が海抜で80cmほどになって、広場は湖になってしまうのだとか。アックア アルタで高潮と言うそうです。確かにベンチみたいのが沢山あって、観光客が増えたら座るんだと思ってたんですが、実はコレの上に立つのだそうで。大理石は潮に弱いので、引いたらすぐに掃除するんだそーです。

そんな話を聞いている内に開館。入ったらほとんど日本人観光客だけ。早起きは苦手なのね欧米人。
中庭入ったらすぐに中庭というか回廊みたいになっていてそれだけでもすごい。なんて言えばいいんだろう。整然としていてきれいというか。観光客で混む前に回りましょう、ということで中へ。基本的に西洋建築は石の建築なんだけど、ここは浮島みたいなものだから、余り重くできなくって、2階とかの天井は木を使ってます。日本家屋みたい。だから揺れる。観光客が沢山歩くと本当に揺れます。崩れないのか?と思うくらい

ドゥカーレ宮殿の階段の天井ベニスの商人で有名なように、ここは商人の街だから、宮殿っていっても交渉事で使う場所なんで、はったりというか、とにかく豪華に作って相手を圧倒するのが目的って感じの作りです。もうね、天井から壁からすごいきれい。油絵もフレスコ画もあります。(ティントレットという画家さんの絵があったんだけど、某漫画に出てくる妖精の名前はその人から取ったんだなぁと)でも床は歪みが生じてきててヒビが入っていたりデコボコがあったりするんだけど。
ヴェネツィアのシンボルって羽の生えた獅子なんですが、これがモチーフとしていろんな所に使ってあります。でも1箇所完全に削られてる所がありました。裁判所の近く、告発用の投書受付けなんだけど、これはナポレオンがここを征服したときに削ったそうで、だからヴェネツィアの人はナポレオンが大嫌いなんだって。嫌いだから人の名前に付けないで犬の名前によくつけるそうです。この辺西洋史知らんからちょっと辛いなぁ。
謁見の間と一緒に裁判所もあって、政治の中心建物だったわけですね。隣の建物がすぐ牢獄なんだけど(そこへ行くのがため息橋)裏道というか細い道があるんだよとか。他にも当時の武器なんかが飾ってあったりも。十字軍へ借り出される夫が妻につけていった貞操帯とかもあったんだけど、痛そう。でも奥さんはこれつけるときは太ってて、その後ダイエットしてはずしたんだって。
次に国会議事堂にあたるような広間に出ます。大議会の間です。ここも周囲の壁がすべて絵なんですが、正面の絵はつぎはぎではなく、ちゃんと1枚の絵なんだそうです。ちょっとした体育館くらいの壁ですよ?ちょっと信じられません。別の所で書いて貼り付けたそうですが、それでもすごい。この時代のこういう絵は工房に注文して描かせていたんですが、有名な職人(ミケランジェロとかラファエロとかもそうだったと)が下絵を描いて、それをいくつかに分割して弟子が仕上げるのが普通だったようです。だから時々ミスもあって、ここの正面向かって左のちょうど角の絵、そこに次への扉があるんですが、その上あたり。同じ人物に(確か)右足が二本描かれています。ちょうどその間に継ぎ目があって、右側と左側を描いた人は違うんですね。だもんで連絡ミスなのかなんなのか、変な足の人が描かれてしまったようです。それが残っている辺りがまた何とも。気づかなかったんでしょうね。これだけの絵があるんだし。
そしてため息橋を通って牢獄へ。

牢獄なんでさっきとは全然違って石だけ。内装は何もない。格子の入った窓と後は本当に石の床に石の壁だけ。冬とか寒そうです。
ヴェネツィアは商人の街で、早くから選挙制で選ばれた大統領みたいな人(ドージェと言うらしい)がまとめ役になっていたそうですが、結局まとめきる力がないと「ハイ、クビ」って感じでここへ送られたんだとか。任期を勤め上げた人って3人くらいしかいないって言ってました。結局皆政治的に嵌められたり色々とあって、盟主の座は取り上げられるわけですね。それでもなりたがる人とかいたのかなーと思うけど、「なりたい」んじゃなくて「無理やり祭り上げられる」んだろうなー。本当の権力者は裏にいるってわけですね。その当たりはどこも一緒なのかな。

牢獄を出ると次はサン・マルコ寺院(Basilica di San Marco)へ。ファサードがすっごいきれいです。
モザイクで作られた絵が扉の上にあって、金とか青とかきれいです。鳩よけに釘みたいのが出てるんですが、一羽だけ鳩が止まってます。死んでるのかもしれないけど。

ファサードの屋根ファサード正正面が確かこれ十字架からおろされるキリストかな金色が綺麗

昼の2時過ぎくらいに満潮らしく、すでに台が用意されていて、皆その上に並んで待ってます。団体客なんで個人客とは別に早めに入れました。中は薄暗いんだけど、内装は金のモザイクできれいです。普段もちゃんとミサとかに使われている教会なので椅子が並んでいるし、欧米の観光客は、やっぱりキリスト教徒なんでお祈りしていったりしてます。
ここには聖マルコの遺骸が眠っているのだそうです。西洋の街はそれぞれに守護聖人というのがいて、聖人に捧げられた街として作られりしているんだそうです。で、ちょっとうる覚えだけど、元々ヴェネツィアの守護聖人は別の人だったんだけど、知名度がイマイチでなんとかしたいと思っていたところに聖マルコの遺骸が手に入って、じゃ聖マルコが守護聖人だ!ということでサン・マルコ寺院を作って祭ったとか南さんが言ってたように思います。聖人とは言え遺体を勝手に動かしてしまうのは日本人としてはちょっと・・・という感じ。
キリスト教において聖マルコというのは3人いるんだっけかな?ここのマルコさんがどのマルコさんだったか忘れましたが十二使徒のマルコと聖書を書いたマルコともう一人いるのだそうです。ここでの聖書は正しくは福音書というらしく、神のスペルでGospel、またはThe Evangelsと言います。そう、エヴァンゲリオンの元ネタでもある福音ですね。南さんも話の中に出してました。
あとここは東洋の方を相手に商売をしていたので、装飾とかにも東洋色というかアラビアっぽい作りとかがあるんですが、サン・マルコ寺院はうちらの良く知るラテン十字じゃなくて短軸長軸のない「+」の形をしたギリシャ十字に作られているそうです。マルコ・ポーロのマルコはこの聖マルコから取ったんだろうし、彼が東へ行ったのもヴェネツィアが東の方と交易を持っていたからということで説明がありました。

大鐘楼サン・マルコ寺院の前が広場になっていてサン・マルコ広場(Piazza San Maruco)なわけですが、ここの大鐘楼を集合場所と決めてからヴェネツィアングラスの工房へ。ここで銀ちゃんとはお別れです。工房の人でも日本語が話せる人がいて説明をしてくれます。結局はおみやげ物屋みたいな感じで「買ってね」になるんだけど、自分ちじゃぁねぇ・・・買ってって置くところがない。似合わない。のでおいらは買いませんでした。ただ、アクセサリーとか見てたら「つけてみてください」と言った叔父さんがまるで歌うようにずっと「つけてみてください」を繰り返しているのが可笑しかったです。
ガラス工房ヴェネツィアはカーニバルでも有名なんで、マスクを売っているお店も一緒です。ガラスもね、かわいい天使やクリスマス向けの飾りなんかもあってかわいかったんだけど、やっぱりなんか買う気にならなかったので見てるだけ。嫌な客だけど。レースとかも売りなのか、ベビー用とかハンカチとかも売ってます。
一通り見て回って、ジェラート食って集合。

ゴンドラからの風景 次はゴンドラです。南さん曰く「ジーンズはいたバイトのにーちゃんですよ」。まんまバイトでーす!というお兄ちゃんに漕がれて出発です。カンツォーネなんか歌ってくれません。もうちょっとお金を出せば歌ってくれるのかもしれないけど、どうでしょう。歌声は聞こえなかったしなぁ。最初は海から出発したので波で揺れる揺れる。運河に入ると波はないんですけど橋がたくさんあります。その下をくぐる度に漕ぎ手のお兄ちゃんは頭を下げます。そうすると船は重心がずれて傾くわけですね。水面と船の縁が同じ位の高さになったりもするわけで、結構キャーとかワーとか言ってます。わざとやってない?と思ったりも。でも操縦自体は上手です。
ゴンドラからの風景2水は濁っているので底なんて全然見えなくて、出入り口の階段も3段くらいでその先は見えません。その先ってどうなってるのか興味あるけど、潜らないと分からないかな?一応運河も海とつながってるので小さい魚が泳いでたりします。ゴミも浮いてたけど。
ヴェネツィアでは1階は冠水する可能性が高いので借りるときも安いそうです。2階以上は高い。銀ちゃんが水と一緒に魚が入ってくることもあって、ご飯には困らないとか言ってましたが、実際どのくらい水が入ってくるのかなぁ。運河から見た限り、1階はほとんど住居ではない感じに見えました。お店というか飲み屋とかっぽいのが見えたけど。水が入らないようにしっかり塞いであるようだし。床屋もあったけどなぁ。
その辺をぐるっと回ってゴンドラは終わり。あとはお昼ご飯を食べてヴェネツィアはおしまいです。ちなみにイカスミのパスタと魚。魚は鱗が取ってなかったです。お店の人は少し日本語しゃべれます。観光地では英語と日本語は必須なんでしょーね。

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