2004年分でし!

■MATRIX Revolutions

2004-01-10

 とりあえず前作までの復習は一切せずに見にいって、その後でネットで情報検索をいたしました。随分忘れていましたよ。そーいえばそんなこと言ってたなぁとか思うことが沢山。結局、映像のインパクトがでっかくて、あの世界の事をしっかり把握しないで見てました。
 で色々と確認した上で、あのラストはやっぱ納得いかねぇ、が正直なところです。いやすごいと思うし、面白かったんですが、結局どうよ?!という思いは払拭されず。まあ、最後にアーキテクトでしたっけ?白髪のじいさんはオラクルと「出たがってる人は出す」みたいなことを言っていたと思うので、ザイオンはこれ以上睨まれずにすむのかもしれませんし、現在、あのマトリクスの世界の正体に気づいているような人はちゃんと生身の体で外に出してもらえるのかもしれません。しかし、マトリクス自体はなくならないし、ザイオンはとりあえずマトリクスからの攻撃さえ受けないようになればよかったのでしょうか。そしてアカルイミライを暗示させるかのような朝焼けでしたが、あれもマトリクスという仮想現実でのことだってのがね。気になっている所。
 第1作目の最初と何が違ったんでしょうかね、あのラスト。マトリクスは相変わらず存在してます。確かにアーキテクトは多少目覚めた人間に対して寛容になるのかもしれませんが、人間全員を目覚めさせるとは言ってなかったはず。てかそんなことしたらほとんどの人は死んでしまうだけだろうし。そしてザイオンの人々はもうマトリクスと戦わず、完全に独立した外の暮らしを安全にすごすだけの存在になれてよかったね、なんですか?
 私、あれはマトリクスの否定になる話なんだと思ってたので、結局凡ての人間が目覚めないとダメなんだろうなーって思ってたんですよ。でザイオンみたいに地下で暮らすのにも限界があるだろうし、結局あの地上を、もう一度人間の暮す場所へ、夢としてみていたマトリクスの世界を今度は本当に作る、という未来に向かうんだと思ってました。だからあのエンディングは不満。
 それでもトリニティがあの空を見ていなければ、まだ我慢できたかなー。リアルな空、それも雲の上はとても綺麗で以前と変わらない、というのを見せられちゃうと、やっぱりあの地上をどうにかして欲しいと思うのですよ。でせめてあれをネオも見て、あの空をリアルでザイオンの人に見せたいとか、トリニティともっとしっかりとかゆっくり見たいとかで良いんでネオが思う。そしてネオはあの空をザイオンの人かマトリクスで世界を夢見る人々に「リアルな空」として見せる必要があったんじゃないかというか、そういう場面が一個入ってるだけで、自分的には満足だったんじゃないかなーと思います。この辺、日本のああいう暗い未来を扱ったマンガアニメではよく見られる展開なので、そっちのが馴染み深いんだよね。マトリクスの人が現実を知って、それでもなおマトリクスという夢に暮す、という選択をするのならそれでいいんだけど、結局、マトリクスの人々に対して、ネオは何もしていない。彼は人類の救世主ではなく「ザイオンの救世主」でしかなかったんだなーというが、3部も作ってあれだけの映像でもって出た結果なのかと思うと寂しいです。

■MYSTIC RIVER

2004-03-10

 見たいと思ったのはとても邪な理由で、感動したのもある意味とても邪な理由だったのですが、それでも泣けました。映画館では泣かないように堪えていましたが哀しいお話です。映画館からの帰り、感動に浸れなかったのが何よりも残念です。
 主役はどうもジミーのようなんですが、デイブに感情移入しちゃって、彼が辛い目にあうのがイヤでイヤで。最初はそれでも「もしかしたらデイブが犯人なのか?」と思わせるような感じなのですが、最後というかもうデイブが犯人ではないとわかってから、本当の犯人とデイブのシーンがとても辛かったです。ジミーの気持ちもデイブの奥さんの気持ちもわかるんですが、それでもどうしてデイブには最後まで完全な味方が現れないのか、と思ってしまって、本当に、もうこれ以上デイブを追いつめないで欲しいと願いながら見ていました。復讐する人はそのあまりに強い気持ちに目がくらむから、だから冷静な第三者という司法が存在するのかなと思ったりもしました。幼馴染の3人の一人、ショーンが謎解き役なのですが、印象はあるけど薄いです。それだけデイブに惹かれてしまったということだと思います。
 最後、結局間違えてしまったジミーは、復讐心を持ちつづけられなくなっていて、それは幼馴染を殺してしまったからでもあり、それが間違いだったからでもあり、彼はある意味、娘への嘆きさえ罪悪感から持ちつづけられなくなっているのでは? と思ってしまって。そう思うとジミーの奥さんからすれば、ラッキーなのかも、と思います。彼女は自分の娘ではないので悲しむ必要はないし、愛する夫の中にあった、自分ではどうしようもできない存在が消えたわけだから、それは嬉しいだろうなーと思う最後でした。だから尚更、デイブの奥さんと子供が可哀相だと思えてしまいます。
 哀しい辛いお話で、救いはあるようなないような、微妙な最後です。
 デイブを演じた人はこれでアカデミーの最優秀賞を取っているのですが、いつも思うのですが「他の人が演じたら私はこんなに感動しなかったのだろうか? だからこの人は賞を取ったんだろうか」、役者さんに対して優劣をつけるというのがイマイチよくわからないのです。まッ更な状態で他の配役の同じ映画を見ることができない以上、違う演目を演じている人を比べるのって意味があるのかな?と思います。それでも渡辺健よりはデイブの方が納得するんですけどね(ってラストサムライ見てないくせに)

■ロード・オブ・ザ・リング(The Lord of the Rings : The Return of The King)

2004-03-17

 ようやく最後です。長かったですね。これも3時間あるんですけどね。
 今回自分が気になったのはサムでした。彼の忠心(?だよね?)に感動してしまいました。ボロミア・フェロミア兄弟の親父は最低でしたけどね。ああいう親父はほんとーに嫌いです。なまじ人間なだけに、悪の大魔王、目玉の親父よりも嫌いです。
 レゴラスがおいしいとこ取りで、出があれだけでも一番人気はレゴラスだと聞いたりするとやっぱ顔か、と思ったり。アラゴルン、結局浮気はしなかったのね、とか。妖精とヒトは子供が作れるんだなぁとか。色々思いましたが、結局主役はフロド?アラゴルン?タイトルが「王の帰還」の割には今回の主役はフロドでしたね。前回は完全にアラゴルンでしたが。
 旅の途中でバラバラになった彼らがそれぞれの目的を果たして全てが終わるのはやはり見ていてすっきりしました。原作知らないんでリングを捨てたところで終わるんだと思っていたんですが、違ったんですねぇ。フロドがある意味においての黄泉路への旅を選ぶとは思っていませんでした。それほど彼は指輪の魔力で傷ついていたわけですか。
 話は変わりますが、「辺境警備」「グラン・ローヴァ物語」という漫画があります。これはたぶんこのロード〜の世界を一つのベースにして生まれた話だと思うのですが、こちらでも人間の増えすぎた世界では生きて行けなくなった妖精達が旅立つシーンがあります。海の果てにあるという他世界への門、それが開くのを時間の止まった島で待つために、その島を目指すのです。妖魔達も妖精同様に人の世界では力を失い、水蛇の娘もまた船に乗って去りますが、この果てを目指すという感覚が好きです。「クリスタル・ドラゴン」にも近い描写がありますよね。新しく入ってきた者に駆逐される旧世界の者は果てを目指して去っていきます。駆逐されるイメージなのでそれを黄昏と結びつけ、だいたいは「西」にそれがあることになっているようです。東洋では西方浄土(極楽)となるわけですね。ロード〜では、特に「ヒトのせいで追い出されてしまう」という印象はなく、ヒトと妖精の間には目立った諍いを感じませんでしたが、それでも「やさしい生き物達」を追いやって繁栄していくヒト、という描写に考える部分もあるのです。将来、ホビットだってどうなるかわからないけれど、少なくともサムは幸福な一生を送ってくれるものと思います。

■イノセンス

2004-03-24

 攻殻機動隊なわけですが、意外と人が多かったような気がします。皆前作見てるのかな?ちょっと間あいた隣に座ったおっさんが最低でした(わからんくても静かに見ていろ!)
 個人的にはGHOST IN THE SHELLのが好きです。ビデオで見たんですけどね。やっぱ少佐が好きなので彼女がカッコイイ話の方がいいですね。トグサの出が多くてちょっと嬉しかったですが、格言が多くてわけわかめ。あの世界は電脳なのでどんな言葉もすぐに参照できるらしいですが、いちいちあんな格言に絡めてると頭痛くなりませんかね。無機と有機の違い、差。養老さん的には世界は自分の脳でしかないので、その意味ではもしそれがフェイクな自我・記憶であっても、それはそれでOKとさえ出来る能天気さがあれば平気な気もします。ある意味「ヒトであることを止めれば幸せになれる」わけで。とりあえずこの話は、あの二人はラブラブだ、ですか。
 GHOST IN THE SHELL以上にCGが多かったのですが、アニメ絵とイマイチ馴染まない印象を受けるのは、おいらがべったりセルアニメ世代だから?実写+CGはCGの動きに違和感はあっても馴染まないってのとは違うんですが、アニメだとなんか浮く。それでも綺麗だとは思いますよ、CGだと。
 自分は本当に人間なのか? っていう問いは鋼の錬金術師のアルのような悩みですが、それって電脳によって顕在化するだけで、別に今の有機的な肉体でも同様の問題は生じているだろうし、今はそれが精神科という狭い領域に押し込められているとだけだと思います。哲学は考えすぎると脳が沸騰するというわけで、人生はお気楽に生きましょう。

■殺人の追憶(MEMORIES OF MURDER)

2004-04-22

 タイトルの訳がいいですよね。memoriesを追憶って訳してるのがまず好きです。ちょっとだけミスティックリバー的な印象があって、でもなんて言うか日本の昔の刑事物とかにも通じるような気もして面白かったです。刑事は足だとか言ってるし。
 韓国語なんですが、部分的に日本でも通じる発音なのが面白かったです。耕運機を「こううんき」って言ってるし(微妙に違うんだけど)漢字の発音とかはやっぱり大元が一緒だけに近いんでしょうね。
 1986年だから20年くらい前の韓国が舞台で、実際にあった殺人事件を元にしたお話だとか。実際どうかは知りませんが、拷問による自白がぎりぎり有効な時期のようです。片田舎で起こった殺人事件で、それも猟奇殺人という今まで起こったことのない種類の事件で、今までの捜査方法が良いにつけ悪いにつけ通用しなくって。刑事達自身が事件を追う過程で傷ついていくのがね。主役の一人でパク刑事という所轄に長い刑事がいて、こう「顔を見ればわかる」とか言っているんですが、最後に「自分にはもうわからない」って言うんですよね。怨恨などの理由ではない事件ではもう人の情とかを見る昔の刑事さんの方法が使えないのが、なんというか哀しいですね。作中でもFBIが引き合いに出されたりしていますが、日本でもある意味古き良き時代の事件は被害者の周囲の人を探せば犯人がいるし、犯人にも良心があって挙動不審になるから見ればわかるとかいう部分もあるのですが、シリアルキラーとかになってくるとFBIのプロファイルといったあまり現場向きではないやり方が必要になってくるんですね。ちょうどそういう移行期とか始まりの時期に当たる事件だと思います。
 ソウルから来る刑事さんでソ刑事というのがいるんですが、なんとなく佐藤浩市と別所哲也を足して割ったような顔です。カッコイイ部類に入るんだろうなぁ。この刑事さんが最初は理詰めの捜査をしているんですが、知り合った女学生が被害者になったことで感情的に暴走し始めるんですね。暴力による自白というか、もうこいつが犯人であって欲しいという、自分の為の理由で殺そうとまでしてしまう。それだけ事件が刑事にも瑕を作ったことになるんですが、その変化がちょっと見てて痛いかな。
 ヨング刑事がさびた釘で足を殴られて、放置して化膿して切断というハメになってしまうエピソードがあるんですが、「神に選ばれし〜」のジシェも同じようなことになっていて、さびた釘は要注意だと思いました。最初犯人にされかかったクァンホという人も可哀相だったなぁ。
 結局犯人は捕まらなくて、関わった人達は皆辛い目にあって、どこか心に傷を残してしまっただけで、それでもやっと時間が流れて過去にできたであろう最後に、いきなりあの頃をつきつけられたような形になったパクさんは、あのあとどうするのかなぁ・・・。

■APPLESEED

2004-04-25

 フルCGと言うことで話題になっているようですが、CGキャラは目が駄目ですぅ・・・。瞳孔が開いているようなというか、焦点の合わない目というか、なんか気持ち悪いです。今回特にヒトミさんで。デュナンはあんまり気にならなかったんだけどなぁ・・・。感情が読めない目だと思うので、ヒトミのようなかわいいキャラでは目が死んでいて気持ち悪いんだと思う。アテナとかはまだマシだったし。
 動きとかはまあいいんですが、やっぱCGキャラって慣れるのに時間が掛かります。最初ちょっと違和感を感じるんだよね。なんでだろう。ロボットとかの表現にはすごく向いていると思うんだけど、人間はまだどこか変な感じがします。
 世界とか人類とかの行く末を一部の人間が決定してしまうというのがあまり好きではありません。おめーらに決められたかねえんだよ!!って思います。例え人類が地球にとって害しか成さない存在だとしても、自業自得で人類が滅びるまでに害が広がってしまうんだとしても、先のない自分達の人生を重ね合わせているようなジジイどもに未来を決められたくはありませんね。というわけでデュナンの行動には拍手。海外ではどうだか知りませんが、日本のSFなんかではこういう世界観はわりと多いと思うんですよね。性悪説っていうんですか? 老人達が中枢にいて世界の動向を決めているというあたり、エヴァにもちょっと通じますし、他にもこういう感じの話があったような気がします。
 この映画が注目されているのはストーリーや世界観なんでしょうか?フルCGだという点なんでしょうか? フルCGは必要なのか? と思ったりするんですがねぇ。モーションキャプチャなどの使用で実際に人間を動かす必要があるのであれば、わざわざCGにしなくても、という気がします。アヴァロンみたいな使い方でいいんじゃないのかな? モンスターズインクはフルCGで成功した例だと思うんですが、このアップルシードはどうでしょう?単純に比べて、髪の毛ってやっぱりCG化するのが難しいんだなと思いました。
 しかし、デュナン、ブリアレオスと子供作れるのか?

■CASSHERN

2004-04-30

 予告のいっちゃん最初の映像から私のハートは鷲掴み状態でしたが、本編も面白かったです! すんごい好みの映像表現です。配役も素敵だと思います。ミッチーと唐沢が主な目的だったのですが、樋口加奈子さんとか寺尾聰とか大滝秀治とかもう素敵すぎです。
 テレビとかで「宇多田ヒカルの夫」という点が主の紹介ばかりでしたが、これは「キャシャーンという作品」としてもっと注目されるべきだと思います。次作があったら見るよ?私。紀里谷監督の作品だという理由で。マトリクスで面白いっていうならこれも十分面白いと思うんだけどなぁ。ストーリーも破綻がないとは言わないけれど、マトリクスよりは納得できるぞ。
 あとエンドロールで知ったんですが音楽が鷺巣詩郎でした! この人の音楽っていうかBGMってすごいと前から思っていたんですが、今回も効いています。最初は宇多田のシングル買うつもりだったんですが、これでサントラの方の購入に決定。この人の音楽ってすっごいイメージが膨らむっていうか、映像にプラスαする力がすごい気がします。サントラだけ聞いてても鳥肌立ったりするし。それなのに映像を邪魔しないというか映像の印象を強くする。もしかしたら先にサントラありきで映像作ったんじゃないか? と思えるような感じです。
 元になっているキャシャーンを知らないのですが、これ単独として面白いです。元版知ってるともしかしたらダメなのかもしれませんが、どうでしょう? 必要以上にというかしつこいくらいに悲しみや憎しみが連鎖しているので、見ていて楽しくなる映画ではないのですが、それでも完全に救いがない話というわけでもなく、簡単に答えの出る問題でもないですし、あのテーマでハッピィエンドを目指したらどうしても嘘臭くなるだろうし、あれが丁度いい感じかも。
 CG使いまくりですが、フルCGよりこっちの方が断然好きです。今回あの何と例えればいいのか、きらりと光る文様がすっごい好みです。いいですねあれ。最後の大爆発後のキャシャーンを守っていた結界とかも綺麗だし、こういう表現があったか! と思いました。
 言っていいのかわかりませんが、個人的に所々エヴァっぽい? と思う。最後に光がどこかの星に飛んでいったあたりもなんとなく。静かに狂っている東博士とかもちょっとゲンドウっぽく思えてしまったし、あの大爆発とかも零号機の自爆のイメージと重なったり。人外の何らかの意思が介在しているようだ、というあたりもエヴァっぽく見える点の一つ。白き月や黒き月のようなものが新造細胞暴走のベースにあるよね。最後の光と同じようにして地球に届いたもの(あの稲妻みたいなの)があって、それが今回の新造人間騒動の引き金になっている。あとオリジナル・ヒューマンとか。全体的な話は違うんだけど、部分的に出ている表現とかが近いというか、影響受けてるのかな? と思えたのは、私がエヴァファンなせいでしょうか。まあエヴァだけの影響というよりは「アニメ」の影響なんだろうけど。キャシャーン自体がアニメだしね。
 戦争と人間が大きいテーマなんですが、その辺ね、宗教に捕われている他国の人がこれをみてどう思うのかちょっと興味があります。日本人って宗教を持っていないとは言わないけど表面的には捕われてないでしょう? 違うのかな、自分はそうなんだけど。そういう日本人が作った話だから出てくるものがあれにはあるような気がします。宗教では人を救えないって感じの言葉もあったし。宗教は個人を救えるかもしれないけど、人類となると無理だろうなぁと思います。宇多田の歌詞にもあったけど、万人の願いを同時に叶えることはできないから。日本人のこの無宗教というか、潜宗教性ってある意味で貴重なのかもしれないと思ったり。海外でリメイクという話も聞きましたが、リメイクするとなんか違うものになりそう。今のままじゃダメなのかな? このまま海外配信して欲しいんだけどなぁ。
 とりあえずもう一回見よう。

■KILL BILL vol.2

2004-05-27

 パイ・メイでしょう今回は! あの髭さばき! 立居振舞! 古き良き中国(カンフー)映画っすね。欲を言えば、ブライド(ベアトリクス・キドー)の動きがイマイチなのがなんとも。前回のルーシー・リューの「ヤッチマイナ」並みになっとらーん! あんなん真剣勝負やなくて組み手やん! と思えてしまうあたりが。剣術にしてもやっぱ上っ面な身につけ方にしか見えん。殺し屋だから奥義まで必要ないって言ったらそれまでだけどさ。
 そして「五点爆心拳」だっけ? 北斗神拳のようなあれは何? タランティーノはどういうつもりなんだろう。謎だ。面白いけど。あえて理屈をつけるならば、5箇所ということで心臓から出ている太い血管(首左右と両腕、あと腹部)への血管へ衝撃を加えることで血管を攣縮させ、心臓への圧力を増やしてパンクさせるという恐ろしい技なのだ! なーんて考えてみたりしました。実際はどうなんだろう。
 ブライドが生き埋めにされるシーンはリアルでした。本当に自分も苦しくなるような気がした。絶対こんなんイヤやと思う。耐えられん。テクニックの有無は別としても、あの状況で精神を落ち着けることのできたブライドは偉いと思いますです。
 トレーラーハウスでのチャンバラはねー、どうかと思うよ。何でも屋だから型もなにもないんだろうけど、別に大家になるわけでないし、ただ本当にめちゃくちゃだわー。でもあれが殺人道なのか。鍔迫り合いしておきながらあれはないだろう? 気分は「卑っ怯ー!」って感じです。しかし日本刀はああいう狭いところで振り回すものではないぞ?
 そこはかとなく漂うB級のかほり・・・オタクの作ったオタク映画、かな。

■サル

2004-05-29

 5日の投与であれだけの副作用なんて恐ろしくてやっとられんが。だったら動物実験段階でもうちょっとなんかあるだろーと思わなくもなく。しかしアルツハイマーの薬だって言うしたぶん脳に作用するわけで、やっぱ人と人以外では違うのかと思ったり。実際にこういうことはないでしょうが、この映画が「治験」の都市伝説化の決定打になるよーな気がします。製薬会社が困っても知らんぞ!
 井藤は最初から怪しいです。イヤな奴です。最後までイヤな奴でした。福家はわがままだけどかわいい奴かもしれません。かわいそうだけど頑張ってくれるでしょう。小杉は情状酌量がついたのでしょうか、心配です。面白かったけど、終わってちょっとだけ肩すかしくらったような気分にもなりました。
 テレビがダメになっていたのが本当に壊れていたのかワザとなのかがちょっと気になっている所。あれで娯楽がもうちょっとあったら、テレビとかもちゃんと見られていたら、副作用の発生はもうちょっと違ったものになったのかもしれないと思ったり。
 しかし本当に1時間おきに採血するのか? 薬のせいでなく体調不良訴えられてもしかたないと思うが。しかし急性発症の副作用もあるしなぁ。初回投与から半日くらいはそれくらいの頻度での検査が必要なのかも。血行動態とかも見るんだろしね。治験生活者の人とか見てると、こういうのがデータとして入ってる薬なんてヤだなーと思う。聞いたら母数は思っていたほど多くないようだし、ああいう人使うとバイアス掛かりませんか? なーんて思ったり。ま、一応ちゃんと検査して異常のない人を使っているハズだけど、なんか痣というか湿疹というか隠してたしなぁ。食事中にも関わらず尿の話ができるのは医療関係者ならではですね。ビール飲みながらだって尿の話ができるのが医療関係者。カレー食べながら便の話もできるハズ。

■LOST IN TRANSLATION

2004-06-02

 ビル・マーレイが老けてた・・・シャーロット演じてた方がかわいかったですね。翻訳によって失われるもの、って結局何なんでしょうねぇ。翻訳者の意図によって排除されてしまう情報、正しい言葉を使用しないことで生じる不理解、コミュニケーションの不成立。言葉が通じない、わからない、伝わらないというのがかなり重篤なストレスになるというのが良くわかります。でも笑えるんだけどね。ストッキングを破いてくれとかさ、背中のクリップとか。実際に海外の俳優さんは金に釣られたみたいに日本のCMに出るってことをおおっぴらにしたくないって聞いたことあるけど、同じようなものなのかな。マネージャーとかもなしで単独で来日ってすごいと思ったり。その辺超のつく人たちとは違うのかな。どのくらい本当に近いと思っていいんだろう。でやっぱ日本人にはLとRは言い分けることができないんだよ。聞き分けるのも怪しいけどさ。ネイティブさんには「なんで?」かもしれんが努力はしていると思うの、皆。
 着物を左前に着ている女性がいました。あれって実際にそう着たのか、または画像の反転などの処理でそう見えているだけなのか。結構周りでも気になってたみたいでざわめきがありました。やはりなんだかんだ言っても日本人ですね。
 最後、シャーロットを抱き締めながらボブの言った台詞が聞き取りづらくて(ワザとだと思うのですが、字幕もなかったし)、何て言ったのか大変気になっています。誰か教えてPlease!

■キューティーハニー

2004-06-03

 B級っていうか三流っていうか、古臭いというか何というか。最初からテンション高いし、変だし可笑しかったデス。二昔くらい前の戦隊モノっつーか、ウルトラマンシリーズっつーか、背中にファスナーみたいな感じの可笑しさ。
 一番笑ったのはジルタワーでのミッチー=ブラッククロウの登場シーン。ミッチーあの格好でコンサートやってくれないかな、マジで。見たいぞ。歌い方がまんまいつものミッチーだったもんで尚更可笑しかった。
 サトエリがすごい頑張ってるのは良くわかりました。結構かわいかったよ。あの何とも言い難い変装シーンとかも庵野らしいっちゃらしい。
 しかしこれ興行成績どーなんだろ。面白いと思うしこういうのもっとあってもいいと思うけど、一般的にはどーかなー。言ってることってたぶんキャシャーンと似てるハズなんだけど、こう、庵野の照れなのかな、茶化さないとやってられないような空気の分笑えて軽いというと違うんだけど、ギャグな分受け取られ方が軽いというか。
 でもほんと「この世界が大好きだもん」なんてよー言わせたな、庵野。あんた幸せなんやねぇ。

■アンテナ

2004-06-17

 女王さまに癒されるってどんな話なんだろう、というのが動機でしたが、女王さまってばカウンセラーもできるんかい?! って感じです。あれは客としてではなくお付き合いしている感じなので特殊例だと思いますが、ある意味で仮面を脱ぎ捨てる場所ですから、そういう人の心の裏とかよく見えるところではあるのかなと。ナオミさんは、女王さまとしてではなく個人的な理由で彼に関わっているので、そこにはプレイは無いわけで、だからお店を辞めたんだろうなーと思うんですが、ある意味ですごく女だと感じました。
 とにかく、自傷シーンは見てるだけで痛かったデス。こういう家族トラウマモノ(?)を見ていると、自分はどうしても親と言うものに対しての注文が厳しいのかなーと思うことがあるのですが、今回もそう。ショックだろうとは思う。結局は大人と言えども自分だけをどうにかするのに精一杯だとも思うのですが、子供に対して責任があるだろう? と思ってしまう。自分が親ではないから思うんでしょうが。ナオミが祐一郎を抱き締める場面で、これは本当はもっと前に母親がするべき仕事だろうと思いました。最後に出来ているとは思うんですがね。
 祐一郎君の自慰シーンとか、見ててうわぁとか思うけど、これって男の人が女の胸とか見てうわぁって思うのと一緒なんだろうか。男体の神秘? なんだかんだと最後は救われてくれているので嬉しいです。死に因らない家族の喪失っていうのはこれほどまでに大きい傷になるんだなというのがわかったというか、事実としてそういう経験をしている人がいるわけで、それは無くした事のない私には絶対にわからないので、そういう人たちに私は何も言えないんだなと思いました。
 その後小説の方も読みましたが、映画の方が普通っぽくなっている感じ。小説の方はもっとオカルトちっくなので、映画の方がまだ素直に受け入れられるかもしれない。

■白いカラス(The Human Stain)

2004-07-08

 何かが物足りない感じがして、でも何が足りないのか良くわからなかった。老いらくの恋の話、と言ってしまえばそうなんだけれど、そこに人種問題が絡んでいて、その辺の認識の甘いわたくしでは感情移入しにくいと言うか。
 アンソニー・ホプキンスが好きなので、ニコールが羨ましかったですが、結構いいカラダしてますよねトニー。
 今回、エド・ハリス、ゲイリー・シニーズと好きな役者さんがてんこ盛りだったんですが、もうちょっと堪能しかったなぁ。コールマン(トニー)とネイサン(シニーズ)のダンスシーンは嬉しかったですが。いやはや。
 コールマンが人種という問題で初恋が実らなくて傷ついてしまったのはわかるのですよ。それで白人に見える外見を利用して世間を騙していたのもわかるの。で上げ足取りみたいな理由で職(地位)を追われてしまってってわかるんだけど、フォーニアのどこにあれだけ惹かれたのかなーっていうのがイマイチわからない。ネイサンとこに推しかけてきた時の態度も、怒っているといえばそうなんだけど、何となく横柄な印象も持ってしまって。でフォーニアとの恋を皆邪魔しちゃうんだけど、一応あれは心配なわけで。弁護士とかネイサンに感情的になるのもわからなくはないんだけど、せめてネイサンくらい味方して欲しかっただろうっていうのもわかるんだけど、ある意味年甲斐もなくって状態じゃないですか。最後の恋だから、もう何も守るものもないというのもわかるんだけど、もう少し周囲に対して違う態度は取れないのかなと思ったりもしました。フォーニアの為にそういう態度を取っているのかもしれないけれど。年を取ったからと言って、人間必ずしも丸くなるわけじゃないんだろうとも思うけど。
 恋の話か差別の話かに絞って欲しかったような気もします。いや両方を扱うことに意味があるんだと思いますが。

■69

2004-07-14

 バカ笑いする妻夫木が見たくて行ってきました。でも脇キャラがいい。体育教師役の嶋田久作とかがくがくと首をしめられる岸辺一徳とか。指紋のない中村君とか、哀愁漂うイワセとか。お父さん役の恭兵さんとか、お母さんの原さんとか。
 恭兵さんのお父さんが結構カッコイイのですよ。なんつーか、息子にお小遣いせびられた時の断り方とか、息子はかわいくて殴れんとか。ピンチで電話してきた息子への態度とかも面白かった。極道の知り合いがいるってのもなんかカッコイイし(この極道もまたカッコイイんだ)。おいしい役だよね、あれ。そのお父さんをちゃんと立ててるお母さんもまた、今はなき古き良き母って感じですか。ちゃんと「お父さんに聞きなさい」って別に面倒だからとかじゃなくて、家長だから立ててるってのがいいですね。
 嶋田久作のような体育教師も、もう絶滅かな。今は色々とうるさいし。しかし当時はあれを親も周囲も認めていたんだからすごいよね。今思うと。
 アダマのバカ正直トークとか、中村君の大事件とか、イワセの運のなさ、男子高校生のらしい妄想とか。細かいところを上げたらキリがないくらいにバカバカしい笑いが満載で、最初っから最後までおかしい。オチもしっかり決まっているし。妻夫木も成長してもうこういうバカな役はできないんだろうなーと思うと貴重ですね。高校生役も今回がギリギリか?
 しかし、バリケード封鎖を「バリ封」って略したのか? 当時の人は。

■DEEP BLUE

2004-08-14

 どやって撮影したんだろう? という点に非常に興味があります。自分、ダイビングしたことあるんですが、あれ撮影するのすっごい難しいと思うんですよね。その辺が見たい。
 疲れている時に見たので、途中ちょっと眠くなりましたが、普段は絶対に見られない映像満載で面白かったです。NHKスペシャルですけどね。深海の生物とかは以前に実際にNHKでやっていたように記憶しているのですが、やっぱりすごいなぁと思います。個人的にはシリーズでやっていたNHKのが面白いかな〜って思わなくもないですが。
 シャチの扱いがちょっと気になってるんですけどね。確かにハンターなんでしょうが、彼らだってただ生きていっているだけで悪者では決してないのですが、まるであれでは最恐生物扱いではないか? と思います。BGMとかが意図的で、悪者扱いしているように思えるのですよ。別にいいんですが。夜の海での鮫達の狩猟の様子とかも結構すごかったですが。
 魚の群に群がる色々な生物達の映像とかすげぇと正直思いました。魚だけでなく、海鳥の様子とかを撮っているのも。海に飛び込むときの様子が見られて面白かったです。こんな風に羽をたたんでいるんだなーとか、海の中でも結構動けるんだなーとか。
 ペンギンが氷上へ飛びあがるシーンとかも、一度結構深く潜行してから飛びあがっているんですよね。そういうのがわかって面白かったです。
 どこの海か忘れましたが、マンタが大量に群れる海があるんだそうです。ちょっとそれが見たかったなーと思います。

■幸せになるためのイタリア語講座(ITALIENSK FOR BEGYNDERE)

2004-08-25

 アンドレアスよりハル・フィンのが好みかな。オリンピアの不器用ぶりというか一杯一杯ぶりもかわいいと思ったけど、個人的に一番かわいいと思ったのはジュリア。マリアにお願いしたり、1回教会行かなきゃとか言ってるあたり、好みです。ヨーゲンのある意味かわいい悩みもなんつーか面白かったです。
 宗教詳しくないんですが、確かアンドレアスは「牧師神父」だったと思います。あの首の飾りは今だ現役の服装なんですね。そして4年彼女がいなくって、といった悩みにも応じるのですね、牧師神父様。素敵です。
 ハル・フィンとカーレンのカップルですが、マジであんなところでしたんでしょうか。びっくりしたよ。お似合いのカップルだと思うけどさ。オリンピアもアンドレアスとくっつけばもう少し落ちつくのではないでしょうか。カーレンがお母さんの点滴を恐らくいじるんですが、何て言うか「法律違反ね」っていう点で見てるのがなんとなく気になりました。
 イタリア行ってから、もう1回行きたくて,それまでにイタリア語話せるようになりたいなーなんて思ってるんですが、こういう和気藹々なところで習いたいなー。ハッピーな話で思わず顔が笑っちゃってしまいました!

■マッハ!!!!!!!!(MACH!!!!!!!!)

2004-08-25

 むかーしのジャッキー・チェンの映画ですね。こういう映画はやっぱり消えずに何年か毎に出て来るんだと思います。バランスですね。実際に主役やったトニー・ジャーだかはジャッキー好きみたいですね。この人、印象としては織田裕二と国分太一を足して2で割ったような顔だと思います。
 で主役の演じたティンですが、純朴でいいですね。無欲なところが魅力といえるかと。ハム・レイがなんつーか、大阪芸人みたいな印象。最後マジで死ぬとは思わなかったけれども。でもなんで紹介は全部「ジョージ」なんだろう。ムエは悪ぶってるけど本当はいい子ってのが良く出てて、かわいかったです。ちょっと広末系な印象。
 バンコクの不良さん達がなんかチョット昔の日本のような感じです。でも麻薬汚染とかってやっぱり深刻なのかな。がっぱり塗られた時にまずいんじゃないかな―とは思ったんですが。全体的に深刻にならないようならないように作られてるので、痛いエピソードもなんとか流せる感じです。カーチェイスが車でなくてトゥクトゥクでされてるあたりはめちゃ面白いと思った! いやあんなかわいい乗り物でも十分にアクションシーンに使えるのねと感心。仏像密輸していたボスを演じていた人は、本当にあの機械を使って話してる方なのでしょうか。長い言葉だと後半電池切れなのか、音程が落ちるというか伸びるというか、そういうところがちょっと面白かったです。

■ヴァン・ヘルシング(Van Helsing)

2004-09-15

 ウルフマンという訳にちょっと不満。ワーウルフはワーウルフでしょう? でなかったらせめて狼男と訳してください。
 予告を見た時からすっごい気に入っていたんですが、もっとヘルシングに惹かれるかと思いきや、ドラキュラ伯爵にらぶです。すごい好み。何がって全部。顔も動きも。後ろ髪の留め方も好きー。あえて難癖つけるとしたら最後のモンスター化したときの姿がブー。ドラキュラって耽美系モンスターのイメージなんで、美しいままが良かったです。
 ヘルシングの過去は全然解明されていないので、たぶん恐らく間違いなく続編狙ってると思います。で、キリスト教圏なんでぜったいに!ないと思うのですが、実はヴァチカンがワザとヘルシングの過去を隠していて、ヘルシングを自分たちの都合の言い様に使うために自分たちにとって不利なことからヘルシングを遠ざけているという、ヴァチカンが悪者な展開を希望します。有り得ないと思うけどね。
 にしても神の左、という意味がガブリエルにあるってしっかり忘れてましたよ。あんなに天使禁猟区とか天使系漫画よく読んでるのに。おばか。
 フランケンシュタインが実はいい人とか、最初の結構人間が悪者的な展開とか、思いっきり日本の漫画の影響受けてませんか? 気のせい?
 最後のCGキャラ化してのドラキュラとワーウルフの戦いのシーンは自分的におもいっきり「デビルマン」でした。デビルマンの映画におもわず思いを馳せてしまったよ。これくらいかっこ良く作られてるといいなぁ。
 ネタばれますが、アナ死んで(って殺しちゃって)るのに落ちこみ方がイマイチ小さい気がするのは私だけ? いくら一族はこれで神の祝福を受けて天国に行けるからってそれでいいのか?! そしてアナって名前はやっぱりミナ・ハーカーから取っているのだろうか。

■みなさん、さようなら(Les Invasions Barbares)

2004-09-20

 初っ端、お父さんの入院している病院が描写されるんですが、すごいびっくりした。何ていうか、野戦病院みたいな感じで。向こうの病院のシステムがわからないのでこれが一般的な病院なのか不明だけど、かなりキツイよね? こういう所で働く人ってきっと心もささくれ立ちそう。そして医療事故が多そうな印象。
 それは置いておいて、お父さんとそのお友達が素敵です。こういう友達いいなぁ。基本的に会話がね、なんていうか内容は下ネタなのに妙に知的というか、こういうのをエスプリってゆーの? そんな感じです。こういう死に方、日本じゃできないけど、羨ましいなーと素直に思う。自分が死ぬときは誰が集まってくれるだろうか、と考えるけど、あんまり集まって欲しくない気もする。ま、ああいう素敵な死に方は出来ないな。
 息子のセバスチャンが冷静なのに結構ぶっとんでて面白いです。基本的に稼げてるから金あるし、とりあえず金でかカタがつくなら金でいいっていう感じが。でもやってることはお父さんのためで。病院買収して、昔の教え子買収して、ヘロイン買って、それを投与してくれるジャンキー雇って。別荘も借りて何から何までとりあえずできることはするあたり、お父さんのこと完全に好きではないのにそこまでするのが歪んでいて面白い。親だから、嫌いだし嫌いきれないし、やっぱりこうなったら何かしちゃうし、って感じですか。「お前は自分のような息子を」とかお父さん言ってましたが、私はこのお父さんのような人生も楽しいと思います。誰からも自分さえもが満足する人生は有り得ないわけで、最後がどうか、で決まるのなら、このお父さん(レミ)の人生は良いものだったと言っていいよね?
 お父さんのお友達にゲイの方がいて、恋人連れて見舞いに来てるんですが、その二人より、最後の方のお父さんとピエールの方がよっぽど恋人同士のようだった。男の友情ってやっぱ同性愛に近いのかな?

■華氏911(FAHRENHEIT 9/11)

2004-09-23

 ムーアの主張が全て正しいとも思わないし、これは完全にブッシュを否定する立場から始まった話なので、公平ではないと思う。でもなんていうか、やっぱりブッシュってバカ息子なんだなーって、自分の印象を肯定された感じがするから、少なくとも私はこれに近い見方をしていたんだろうと思う。ブッシュが再選したら(もしかしたらケリーになっても同じ末路なのかもしれないが)アメリカは自滅していくんだろうなと思っている。日本はそうなったら確実に巻き込まれる位置にいるので、今のうちにアメリカとは距離を置いて欲しい(少なくともいざという時に逃げきれる位置にいて欲しい)と思っているが、小泉だからムリだろう。小泉も引き摺り下ろしたいんだけど、代わりは? と言われるのが辛いのが辛い。
 政界だけなのだろうか? この人材不足は。大事な国の運営に関わる人たちがこれではもうどうしようもないよーな気がする。それはアメリカの話ではなくて日本。それでもアメリカ人はブッシュを自分たちの選んだ人といって胸を張るだけましなんだろうな。日本で、小泉が首相であることに胸を張れる人間がどれだけいるだろう。この人が首相で良かったと思える人を思い浮かべられない日本はまずいんだろうなーと思ったりした映画です。

■SURVIVE STYLE5+

2004-09-30

 各キャラの名前ってあんまり出てこなかったような気が・・・。とりあえず浅野と一徳さんがお目当てで見てきました。すっげぇあほあほで好き。5組の話が最後には繋がって、っていう言い方するとちょっと違うんだけど、そーくるか、という終わり方だったです。
 浅野んとこの夫婦が一番好きかも。不死身の妻が最高です。カッコイイ。素敵。ま、あの落ちは読めるんですが、にしても浅野を追いかけるのが迫力あっていい。また衣装が素敵。サイトで色色ってカラフルな画面の話が多かったけど、色もだけどデザイン? あの衣装すごいと思う。一徳さんちの家とかもカラフルだったけど。小林家だったか。阿部ちゃん演じる変人催眠術師・青山のショーへ向かう時の車ン中なんて最高だよね。すっごい普通の家庭な感じで会話も別に変じゃないはずなのに言い方(なのか?)のせいかすごい変な一家です。最後もいいしね。
 阿部ちゃん演じる青山がまーなんつーか変で好きなんだけど、最後の「ムリ」っていう言い方もいいなと。彼女(なんだよね、一応)の小泉今日子もなんつーか一番まともなのにもかかわらずやっぱり変で。笑い方が「シシシシッ」って感じの笑い方が。彼女の考えるCMの中ではあの頭が回転するやつが一番面白かった。あれは実際に使えるよなと思います。
 あとは空き巣3人組み? これで名前のわかった森下能幸は変な顔です。顔のインパクトだけは強い。今回Jと変な空気なんだけど、アップきっつ! って感じです。でもこういう役者さん好きだけどね。この二人の間のあのみょーな空気がおかしくて。一応両思いだった、んだよね? 最初Jは嫌がってるのかなーって思ってたんだけど。
 あと殺し屋二人組。通訳してる人もどっかで見たはずなんだけど思い出せない。お笑いの人かと思っていたけれど、一応役者さんなのね。荒川良々だそーです。殺し屋さんもどっかで見たと思うけど思い出せない。100万を1万にまけるあたり、どういう料金体系なんだ? と思いますが。
 ファミレスみたいな所で携帯メール打ってる女子高生2人も妙に気になっているんですが、彼女のケガはどこまで行くんだろう。あの無関心ぶりがなんかリアルなのかなと。
 気になってるんですが、殺しの依頼をする事務所で死んでいた写真の中に、香取君いませんでしたか? 確信が持てないんだけど、似てたような気が・・・
 もっかいみたいです。

■誰も知らない

2004-10-21

 いやはやああなるんだろうなーってわかっていたんですが、やっぱり悲しいよん。柳楽くんが織田くんに見えている私ですが、おにいちゃんしっかりしすぎてて辛いですね。
 えっとですね、お母さん役YOUなんですが、彼女の役得なのか、それとも話の中で子供達がそりゃ素直にお母さんを好きだからか、あんまりこの母嫌いじゃないんですよ。珍しいことに。ばかだなーって思うんですが、このやろーっではない。なんででしょう。明くんはさすがに限界が見えててちょっとお母さんを諦めようとするのですが、他の3人がもうずっとずっとお母さんを待ってるのですよ。お母さんが大好きなんですよ。最初に普通のというか仲の良い親子の情景を見せられているからか、本当にこの母を憎めないのです。これは私としては珍しいです。最後「おせ―よ!」ってタイミングで書留送ってくるんですけどね、それも遅い!であってなんていうかそこで恨めない。ほんと、なんでだろう。
 最後は現状維持的なエンディングだったんですが、あのまま生きていくことが彼らにとって良いことだとは思わない、のになんでか彼らにはあのままでいて欲しいような思いで見ていました。子供達だけで、仲良く一緒にがんばって生きていって欲しい。それが辛いのはわかるのに、ぜったいに将来に何らかの形での破綻があるだろうとわかるのに、何故だか彼らにはあのままでいて欲しいのです。それは明が仲よくなった子達が、決して彼らは特異ではなく、普通で、友達なら万引きしてこいとか、塾が忙しいからとか言い訳して遠ざけたりするのも普通だってわかるんですが、あんな風になって欲しくないんだよね。
 壊れやすいとても脆いもの。そんな印象があって、それはきっと、あの大家が入ってきたときの子供達の表情だったりするんだけど。うすいうすいビイドロみたいにうすいガラスみたいな脆さ。結局それが壊れてゆきちゃんに出てしまうんだけど。
 本当に子供達を1年おっかけて作った映画なので、子供達がかわいいんです。特にやっぱり最後があれだもんでゆきちゃんが可愛いのね。眠っちゃって小鼻がぴくぴくしてるのとかかわいいの。明も京子も茂もゆきももうぎゅーってしてあげたいのです。
 予告で流れていた時から「宝石」にはうるうる来ていたのですが、あのタイミングで流すか?!みたいな。ずるいよねという演出。歌詞が好きなんですが、やっぱりなんつーかキますね。
 モデルになった事件について調べて読んだんですが、そっちはもっと悲しいお話で、まだこっちのほうが救いがあるんですが、子供達にはただ素直に幸せに浸って生きて欲しいと思うのは甘いのかなぁ。どうせ大人になったら色々と嫌なことあるんだし、子供には嫌なことがないとは言わないけれど、せめて小さいうちは良いものをいっぱいその両手に抱えていて欲しいなぁなんて思うのでした。
 本編とは関係ないんですが、茂役の子の名前「飛影」でした。お母さん幽遊白書のファン?

■茶の味

2004-10-28

 ほのぼので変で面白かったです。監督、石井さんだったしね。我修院出てるしね。目的は浅野だったんですけどね。
 えっと、庵野出すぎです。いや別にいいんですが、まんまアニメ監督だし。変な人ばっかり出てるんですが、青春物語でもありますが、家族のお話、なんですよね? 茶の味って一家団欒の象徴でいいんですよね? 縁側のある家のあの開けっぴろげな、まるで玄関のようなあの縁側いいですよねぇ。舞台が田舎で、風景とかもいっぱい挿入されてて綺麗でした。いっこ、雲に虹が映ってるみたいな絵があって、以前に見て「綺麗だな」と思っていたものに似ていて嬉しかったです。いやはやコメントいらんね。面白い。んだけ。
 ストーリーとは直接関係ないところで、電車の中に着ぐるみ着たオタクっぽい2人組みが乗ってくるんですが、この2人のうち一方は「サル」で福家やってた人でした。思わず、このオタクぶりが嵩じて大学で映研入って酷い目に会うのかなぁなんて思ってしまいました。森下幸能も刑事役でちょっとだけ出てました。役者さんもそうなんだけど、キャラもいつも変で、いったいどうやって思いついているんだろうと謎に思います。
 そしてあのインパクトの強い「山のうた」だっけ? なんかすごかった。

■デビルマン

2004-11-11

 えっとですね、私的にダメでした。期待していただけに尚更。何がどうダメなのか、明確な言葉にしたいと思うのですが、どこがどうと上手く言えません。素晴らしい原作であっても必ずしも素晴らしい映画にはならないという典型な気がします。この調子では来夏の「姑獲鳥の夏」なんてどうなることやら、心配だ。あー心配。ほんと心配。
 でもCGは良かったです。かっこ良かった。それでも本当はキャラが完全にCGなのはどうかと思うんですよね。人がちゃんと演じていないCGには意味がない気がする私でした。あれならアニメでいいじゃん。着ぐるみ着せてとかもうちょっと人に演じさせておまけとしてCGでらしさ、仕上げをする、という使い方。または背景だけとか、そういう使い方をして欲しいと思っています。完全実写化って「実写」ちゃうやん、って感じ。本当にあれではフルCGアニメにするのと何が違うのさ? と思ってしまうから。
 にしても富永愛の出番が少ない。もったいないぞ。

■シークレット ウィンドウ(SECRET WINDOW)

2004-11-17

 ジョニー・デップっちゅーことで見てきました。なんていうかあのボロボロのガウン着てうだうだしているところがかわいい。向こうの小説事情はわからないんですが、日本よりは需要が多いのか? いつの時代の話なのか、一応作品発表年とかは出てくるんだけどちょっとわかんない。使ってるPCはでもWin95とか98じゃないかな、あれ。Wordなんだなーとかさ。ヘンなところを見てしまった。
 脅されててそこをオッサンが車で通ったあたりでなんとなーく、そうかなーとは思ったんですが、またもや多重人格ものか、と。最近多いのでなんとなくまたかと。ただ、オリジナルが消えるとは思っていなかったので(体ごと死ぬかなー、つまり自殺ね、とは思いましたが)そこだけはびっくり。それでもああいう場合、消えたオリジナルは二度と復活しないのかなぁ。その辺は精神医学知らないんでわかりませんね。それでも情けないオリジナルの方が好きです。

■地球で最後のふたり(LIFE IN THE UNIVERSE)

2004-11-18

 ケンジの兄が最初関係わからなくて変なことを考えてしまったりもしたけど、面白かった。ケンジも一応ヤクザなのかな? 刺青あったし。あんな性格でヤクザなんてできたのか? とちょっと疑問だけどね。兄を演じている松重豊さんは「ユリイカ」にも出てて、結構印象の強い方です。
 一応舞台はタイなんですが、実際あんな制服パブみたいのあるんだろうか。完全にあれは日本人ターゲットだよね。もろセーラー服だし。最初は妹の方が主役なのかと思っていたんですが、お姉さんのほうでした。でノイの家に行くんだけど、あの家を綺麗に出来るなんてケンジ凄い。そしてノイ羨ましい。ぜひとも我が家も綺麗にしていただきたいと思います。
 公式サイトで浅野が「ケンジは本当に死にたいんじゃなくて、生きるために自殺行為を行っているつもりで演じた」と言っていましたが、だからかやっぱり見ててもこの人は本気で死にたいんじゃないんだなというのは思った。実際ノイんとこ行ってからは1回も自殺行為してないし。彼女といればそれは必要ないんだろうなーと。あの二人の間の感情が恋愛感情かはまた別だと思うけど、二人でいればとりあえずは幸せになれるかもしれないという感じでしょうか。だからこそ、最後ケンジの妄想通りにちゃんと日本で再会して欲しいなーと思います。
 ケンジの部屋に飾ってあった絵はエッシャーの騙し絵ってやつだよね? そしてタイ語で「出てけ」が「オ、パイ」なのが面白かった。

■笑の大学

2004-12-01

 三谷だしどうしてもやっぱり舞台向けな内容になるんだろうなぁ。いや面白いんだけど。こういうのって役者さんの力量が強く反映する気がするんですがどうでしょう? でも役所広司だし、その辺はばっちりだと思います。
 日本史を正しく覚えていないので椿に赤紙が来た時に「え?」と思ってしまいました。一応開戦(太平洋戦争)が昭和16年というくらいは覚えてるんですが、開戦前の状況というのがわからん。まだちょっとのん気に見えるよね? それでも最後の方には国民服が導入されてぎっちぎちな感じだけど。
 ちゅーさせてください、とか向坂の妙にのめり込んで行く辺りとか、廊下のじっちゃん警官とか面白い。いや実際にあの脚本の方を舞台で見てみたい気もします。
 で、当時の状況を少し勉強しましたのでここにリンク。日中戦争から太平洋戦争

■OLD BOY

2004-12-02

 オ・デス演じてる役者さんがすっごい良いんだと思う(チェ・ミンシク)。いやでもユジンの人も凄いと思うんだけど。個人的にはユジン演じたユ・ジテの方が気になってますが。
 いろんな意味でR-15なんですが、暴力シーンはまー痛いっす。2回ほど思わず目を閉じそうになりました。あとミドとのHシーンはね、ミドが可愛かった。あの台詞いいなぁ。で、ユジンなんですが、彼はきっとミドを身内みたいにというか妹みたいに思ってたんじゃないかなーって思います。最後のあそこで、私は一瞬「匣を空けろ」というんじゃないかと思ったんだけど、ユジンならそうしてもおかしくないと思うのにそれをしなかったのはきっとユジン自身、そこまでミドを傷つけるつもりはなかったんだろうなと思うんですよね。その辺ちょっと歪んでるけど、ユジンの愛情なのかなと。
 あ、でも15年監禁されてていきなり解放されて、携帯電話の使い方がわかってるのにちょっとびっくりしたけど。そこは突っ込んじゃダメなのかな。自分が未だに携帯を扱いきれていないので尚更そう思いました。ま、畳まれてるのを開いたら通話で閉じたら切れるってだけなら簡単だとは思うけど。わざわざそういう簡単なのを渡したって考えた方がいいんだろうけどさ。あと、韓国って確か儒教の国でしたよね? 日本より近親相姦に対して厳しいんじゃないかと思うんですがどうなんでしょう。ネタとして使っても大丈夫なんでしょうか。ちょっと気になりました。
 で原作は日本の漫画なんですが、これ見てね、日本の映画界ってダメだなーって思いました。これを韓国に作られてしまう。そしてもし日本が作ってもこうはならないと思えるあたりがなんつーか日本どうよ? みたいな。それが環境なのかスタッフなのか役者なのかはわかりませんが(でも良い役者は日本にもいると思うから、それ以外だと思うが)、日本頑張らないとダメだぞ! って思いました。
 気になっててやっとすっきりしたのでちょっと追加。最後の「おじさん、愛してる」を聞いたときから何か気になってたんですが、「ピノコせんせいあいしてゆ」なんだなと。んだけですが。

■ハウルの動く城

2004-12-15

 正直言いまして、最初は「木村拓哉ぁ?」って思ってました。ごめんなさい。で、見る気なかったんですが、笑の大学だったかで予告やっててですね、紺の髪でベッドに横たわるハウルを見てヤられたんですね。あらやだ好みかも、なーんていって見てきたわけです。
 最初のあの空中散歩からもう私はハウルに心奪われてって感じでしたね。ああいうキャラは宮崎さんにしては珍しい気もするんですが、それでも全編を通して宮崎さんの匂いはする。というか、宮崎さん年寄好きだよね。ソフィの声とかもやっぱり気にはなっているんだけど、それでも見られるからすごいかなと。でもね、ソフィさ、最初のばーちゃんになってすぐに比べるとだんだん若くなってるじゃないですか。あれ90歳には見えないよ。どう見ても70代からいっても80代だと思うんだけど。荒地の魔女の魔力が消えてしまったから、中途半端に呪いは消えかけているのだろうけれど。にしてもこまかーい点で突っ込みたいところはあった。でも面白いけどね。
 脇キャラも面白いんですが、サリマン先生だっけ。彼女の何がハウルをアレほどまでに恐れさせているのか、を思わず深読みしてしまう。品の良いばあさんに見えたけど、何かがあるのよね? あの小姓(?)を従えているのも、あの小姓の見た目が金髪ハウルに似て見えるのも意味があるのだろうかとか。あと荒地の魔女はもうちょっと声のトーンが高い方が好みかなぁ。
 千と千尋ももののけも見ていますが、ああいう話より、こういう話のほうが好き。こういうのもっとつくって欲しいなぁ。ナウシカ+ラピュタ+豚=ハウル、って感じがしました。
 大体は面白く見たんですが、1箇所だけ。ソフィが1回城壊して、それからほぼすぐ直後にもう1回動かしてって言うところ。あの短い時間ではちょっとソフィの気持の変化がわからなかった。
 ハウル見にもう1回行きたいかも。

■世界でいちばん不運で幸せな私(JEUX D'ENFANTS)

2004-12-15

 フランス映画はよくわからんって以前に聞いたことがあるんですが、やっぱりよーわからんかった。っていうか意地っ張りでくっつけば良いのにくっつけない二人、っていうのはわかるんだけど、最後がなんだか。あの二人はいいかもしれないが、放り出された格好のセルゲイとクリステルは可哀相でしょう。彼らは何も悪くないんだからさ。他人を傷つけてまで張る意地ってどうかと思います。まあそれでもあの二人の恋はあれはあれでアリだとは思うんだけど、なんていうかこう、上手く言えないなぁ。
 えっと最後ですが、あれはやっぱりコンクリに埋まって死んだの? 心中したの? よくわからなかったです。でも別に死ななくてもって気もした。あとね、コンクリ―トって強アルカリだって森博嗣のサイトか本で読んだ記憶があって、調べたらpH13くらいだって。かなり強いよね。少なくとも彼らはあっちゅーまに白骨化するんだろうなぁなんて思ったりしました。皮膚がピリピリとかしてなかったのかな。
 cap ou pas cap? っていう言い方とかは可愛いと思ったけど。

■約三十の嘘

2004-12-29

 八嶋が出ててびっくりした。演技をしている彼を見るのは実は始めてだったりする。うん、イメージ通りって感じです。あ、でもキスシーンにはちょっとだけびっくりした。
 チーム組んでの詐欺っていうのは初めて見たんですが、下準備とかしっかりしているんだなと。今井はま最初っから怪しいんだけど、仕方とはいつから組んでいたんだろう? 仕方は佐々木と組んでたわけで、佐々木を裏切る気は最初からあったとして、今井にはあの時に声をかけたんだろうか。騙し騙されって話は見ているのは面白いので好きです。
 個人的にはですね、宝田のような女は重いので苦手です。一度チームを完全に壊してから再生した方がよかったんじゃないかなーって思います。ので仕方の望みを叶えてあげたかったですね。ま、いいんですけど。別に1回壊れても、再生できるチームだと思うんだけどなぁ。
 田辺誠一の演じる久津内が情けないっちゅーか弱弱ですがそこが面白かった。

■雲のむこう、約束の場所

2004-12-31

 何かでちょろっと予告編というか、ダイジェストみたいのを見てから気になっていた映画です。「星のこえ」など他の作品は知らないのですが、面白いお話でした。
 個人的な意見として、視点というかアングルとか、あと鉄道や駅なんかの過剰なくらいな描写とか、研究所の様子とか、蝦夷地の塔周辺の様子とかがちょっとエヴァっぽい絵でした。あくまでも絵ね。庵野っぽいと言った方がいいかな?
 面白いんですが、冷静に考えてしまうとこんな女の子いるのかなぁ? とか考えてしまったりもします。
 この話は話として面白いというか完結しているのですが、背景の世界観とかちょっと興味があるというか、塔の方の出来事に興味があります。本当に未来予測の手段として平行宇宙を実験していたのか? とかね。なぜ佐由理が眠りに引きこまれたのか、という理由とかも気になってて、塔には塔で眠り姫がいたんじゃないかなとか、それが佐由理の親族(祖父とか母とか)なんじゃないかなとか思ったりしました。望んだわけではないのだけれど犠牲にしてしまった誰か。その誰かが永遠に眠り続ける塔みたいなイメージ? だからあの塔が破壊された時に、恐らくその誰かは死んでしまったんだろうけど、それは解放でもありえるわけで、きっと例えば佐由理の祖父とか誰かは塔を壊してくれてありがとうとか思ってるかもなみたいな。そんな妄想をちょっとしてみたりしました。

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2005-01-07改訂; Miya; miyamiya
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