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石垣島旅行紀

第二日目。07/05

2日目です。
この日の為にこの旅行紀を書いているといっても過言ではありません。

予定のカヤックは午後も遅目とはいえ、朝食は9:30までなのでとにかく起きます。 食堂(この言い方はマズイか、レストラン?)は人もまばらで皆さんもうお出かけされたようです。 地元の料理も取りこまれた内容でとうぜんゴーヤーチャンプルーもあります。 このとき、ちょっと不思議な現象があった模様なんですが、自分が聞いたわけではないので詳細は不明。

とにかく時間をつぶさなければなりません。 ケーキセット食って、お昼よりちょっと遅い時間にクラブハウスサンド食ってという、食い三昧な時間つぶし。 余りよろしくありませんが仕方ないです。

そしていよいよカヤック体験。
ホテルまで迎えに来てもらい宮良川へ。現地にはなぜか馬が1頭。 メンバーは自分ら以外にアベック(古いなぁ)が2組、どちらも新婚さんでしょうか。一緒に観光です。 カヤックがひっくり返ることはほとんど無いそうですが、一応胴衣を着て、帽子とダイビング用の靴を履いて準備OK。

カヤックのこぎ方(パドルの扱い方)、乗り降りの方法など一通り聞いて出発です。 案内のおじさん(なんと石垣さん)に「力入ってるよ、顔がまだ硬い」なんて言われながら上流を目指します。 両岸にずっとマングローブの林があってちょうど種のなる時期だったんですが、見られるような余裕ができるまでは時間がかかりました。 落ちるとかひっくり返るとかそんなに真剣に思ってるわけではないのですが、やっぱりパドルにしたって扱いなれてないし、漕ぐほうに集中してしまうので、景色が見られないのです。

このマングローブですが「汽水域に生息する塩水にも耐えられる植物の総称」らしく、ここに生えているのは「ヒルギ」というそうです。 石垣には3種類のヒルギがあって、オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギなんだそうです。少しずつ違う形をしていて、その違いも説明してもらいながらゆっくり川を上っていきます。
河口付近ではヤエヤマヒルギが多く、花はもう終わってしまったのか、実(種)がなっています。 しばらくすると赤い花の咲いたヒルギが見え、これがオヒルギ。花はザクロの先っちょみたいな感じの小さいかわいい花です。

本土ではもう夕方なのですが、こちらではまだ太陽が元気な時間で、ヒルギの影の中を進むようにしないと暑い! 小さい魚が水面を飛んだり時々水飛沫が上がったり。意外と水深は浅いのですが、カヤックの下では魚は簡単に見られません。 ヒルギ林を眺めながら途中で支流に入ります。

枝が低く出ていて、かつ浅いのでカヤックでないと入れません。 ここではまだヤエヤマヒルギとオヒルギがメインですが、その違いは根っこにも現れています。
ヤエヤマヒルギは枝の途中から根がいくつも降りてきて長い枝を支えるようになっています(支柱根)
オヒルギは幹の側に膝のような小さい根が沢山でています(膝根)
そんなヒルギの上を蝶や鳥が飛んでいます。カラスと思しき鳥もいました。 途中でちょっとカヤックを降りて根の生えている湿地を小人数で探索(根っこの湿地は柔らかくて、人が踏み固めてしまうとヒルギが呼吸できないので、全員はちょっとムリ)すると握りこぶしより大きいシジミ、大シジミが!
この支流の奥には涌き水があって、汽水域とはいえ淡水の割合が強いそうです。だからシジミが生息できるそうな。 「食べられるの?」との質問に、泥抜きに1週間くらいかかります、とのお返事。
戻って本流へ。

本流をまたゆっくりと溯ります。 途中に大きな崖のようになっている部分もあるのですが、それがサンゴのようになっています。 石垣島はサンゴが隆起してできたような島らしく、サンゴの化石とかも見られるとか。
また支流に入っていくのですが、その分岐部にちょっと洞窟のようになっている部分がありました。 そこも泥といいますか湿地といいますか柔らかいのですが、そこに小さいハゼが一生懸命飛んでいました。 トビハゼというそうです。 カニもいます。洞窟の奥にはコウモリも居て、周囲が静かだと声が聞こえるという話でしたが、この日は鳥の声などで聞こえず。

先に進むと池のようになっている部分があり、そこに今までのものとちょっと違うヒルギが。
これがメヒルギと言って、花は白く、葉の先が丸いのでなれればすぐに違いがわかるそうです。 それぞれにちゃんと住み分けがなされているそうで、木の高さとかが違うそうです。 種は沢山落ちるんだけど、いくつかは土に刺さらないで流れるし、芽を出しても新芽は柔らかく鳥や昆虫に食べられてしまうので、 川がマングローブで埋まることはないそうです。

再び戻って本流へ。
今度は砂州のようになっているところでカヤックを降ります。ここにはシオマネキが生息していました。 片方のハサミだけが大きくて、それを振る様子が潮を呼んでいる様だということでシオマネキ。 ちょっとでも何かの気配があるとすぐに巣穴に戻っていきますが、こちらがしばらくじっとしているとまた出てきて潮を招いています。 (実際に呼んでいるわけではないようですが) ハサミのないメスもいます。ハサミのこすれる音なのか、何かを食べている音なのか、小さくプチプチという音も聞こえます。 しばらく眺めているとハトのような鳥が飛んできてヒョイとシオマネキをつまんでいきました。 うーん、こりゃすぐに逃げるわな。

そこはヒルギの数も多く、すごく茂っていました。手前にヤエヤマヒルギ、奥にオヒルギという感じで生えていまして、 ヤエヤマヒルギの方が丈が低く、オヒルギが大きく奥にいます。奥の方ではオヒルギのせいで下まで日光が届かず、ヤエヤマヒルギは成長できず、自然このような形になるそうです。 自然のすごさといいますか、うまくできているなーと思います。 シオマネキなどが土に穴を空けてくれることで土の中にも空気が入り、また土も柔らかくなるので、もしシオマネキが居なくなったらヒルギの森が危ない証拠、とも説明されました。 ここのヒルギ林がこのまま元気だといいと思います。

これで進むのは終わり。あとは川を下るだけです。 流れに乗っていますので楽です。カヤックの漕ぎ方にも慣れ、余裕もあります。
ヒルギは海水の混じった汽水域で成長しますが、塩分が好きというわけではなく、塩分があっても大丈夫ということのようです。 石垣さんが種を拾って自分のところで植えたやつに水をかけていたら成長速度が速くなったとか。 他にも、河口付近に橋があるのですが、その支柱のあたりで3mちょいのウミヘビがつかまったことがあるという話も聞けました(実は捕まえたのは石垣さんの息子さんだそうです)

さて、カヤック体験はこれで終わりなんですが、自分らはオプションにバーベキューをつけていました。 しかし2組のカップルはこのままお帰りの様子。お見送りをした後でバーベキューの準備が始まりました。 これがお楽しみの始まりです。

準備ができるまで時間もあるし、ということで馬に乗せてもらいました。これは完全にご好意のようです。 自分は馬は初体験、重ねて馬には鞍がありません。落ちるんじゃ?とおっかなびっくりなので、引いてくれてるおにいさんに質問されてもカタイお返事しか返せない。 馬の背中は当然なんですが温かくて、鬣は硬かったです。 あまりに硬いので鬣は鎌で刈っているそうな。ハサミだと負けてすぐに鈍るという話でした。

馬から下りてバーベキューの開始です。肉、魚、野菜。 ビールは石垣地ビール(白)から始まってオリオンの発泡酒、麒麟ビールと進みます。 話も盛り上がって(これはひとえに連れのおかげ。こういう時に向いているやつです)どんちゃん状態。 もずくやジーマミ豆腐もいただきました。ジーマミはたれが甘くておいしい。こちらでは子供のおやつらしいですが、そんな感じ。 夜もどんどんふけていきますが、話は終わらず続きます。 星がきれいだとか、台風はひさしぶりだとか、いろんな話をしました。石垣の話もたくさん聞けたのですが、順序だてて覚えてないのが哀しい。
サンシンの話とか、馬の話とか。乗せてもらった馬には子供がいて、秋ぐらいには一緒にここにいるかも。 他にも人魂を見たとか、年の話からなつかしの口裂け女の話が出たり、キジムナーっていう妖精の話から、金縛りにあったことがあるという話になったりしました。 ゴリは石垣の出身で、昔はワル(これも古いか)だったとか。某社のビールはオリオンが技術提携してできたとか。 途中スコールのような通り雨が降ったりもしましたがもう盛り上がる盛り上がる。 そのうちに氷と泡盛(八重泉という銘)まで出していただきましてもうバーベキューではなく宴会です。 そしてびっくりしたことに、空いた缶ビールの上部を100円ライターで器用に剥くのです! そしてそれを器に氷を入れて八重泉とさんぴん茶を。アルミですぐに冷えるし便利ですが、コツがあるので簡単にはできないし、切るから真似しないほうがいいかも。
最初一口だけ八重泉は原酒で飲んで見たのですがきっつい!割らないと飲めません。 以前のお客さんが、日本酒と同じ感覚で原酒を一気のみして気持ち悪くなったけど吐けなかったという話とかも聞きました。 泡盛は吐けないそうです。

BGMには石垣の歌が。“浜辺で子供達が笑いながら遊んでいる。この笑顔を大事にしよう”といったような歌詞だそうですが、すごくいい曲だと思いました。 (これにつきましてはタイトルやCDが出てるかどうかなどの情報を教えていただけると嬉しいです。メール

石垣の人は多分皆さんこんな感じで優しいというか、懐が大きいというか、いい人達なんだろうなぁと実感。 こんな風に地元の人と触れ合ったのは初体験なので、すごく楽しかったです。 もうこれだけで石垣に来て良かったと思いました。これが自分としては最高の出来事でした。

上記の宴会はオプションではないので、行かれた方全員がこのような経験ができるわけではないと思います。 たまたま自分らは適度な時間に適度な人数(2人でした)で行き、たまたま石垣さん達の都合が良かったからの出来事ではあります。 でも石垣さんを始め皆さんすごく良い人達でした。 ここを読まれた方で、もし石垣島へ行かれることがありましたら、ぜひ行ってみてください。

宮良川観光 電話・FAX(09808)6−7079 代表:石垣さん

です。夕方のカヤックツアーの後、バーベキューを申し込んでおくと、うまく行けば石垣さん達と楽しい宴会ができる、かなぁ・・・?

明日はダイビングの予定があり、もう少し楽しみたかったのですが、お酒は飲みすぎるわけに行きません(もう十分やばい感じでしたが) ダイビングが終われば後は帰るだけなので、明日また飲みましょう、ということになりました。 それでも宴会は夜の2時ごろまで続きまして、タクシーを呼んでもらい帰ることになりました。
この時の運ちゃんも石垣のお話を沢山してくれました。旧暦の7月から8月にかけて、こちらではお祭りがあるのだそうです。 本土で言うお盆に当たるのだそうですが、収穫に感謝し、来年の豊穣を祈願するのだそうです。 このお祭りがまたよいらしく、ぜひ見て欲しいと言われましたが、今回はちょっとムリです。でもいつか見に行きたいなーと思っています。
また石垣島は昔大津波に襲われて島民が1/3くらいに減ったことがあったそうです。そのときに他の島から少しずつ人を呼び、新しく村を作ったんだそうです。 ですから、石垣のお祭りは村村によって違うものなのだとか。石垣の古いお祭りは小浜(字合ってるかな?)のものがそうらしいです。

などなど、色々とお話を聞かせてもらい、ホテルにつきました。明日は朝からダイビングに行かなければなりません。 すっごい眠かったけどとりあえずシャワーを浴びて就寝。2日目終了です。

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