2003年分でし!

■黄泉がえり

2003-02-10

上映延長ということで見てきました。仕組まれていたのよ、ってな意見も聞きましたが、邦画は上映期間が短くていつも見られないので、個人的には嬉しかったです。で映画ですが、思っていたよりは全然面白かったです。草薙ってカッコいいのかよくわかりませんが、嫌いではありません。おでん屋での会話は特に自然な感じがして好きです。極楽とんぼの山本くんでしたっけ?彼もいい味を出していて見なおしました。
脇役の人がすごく気になった映画でもあります。アイフルのCMの方はそっちのイメージが強すぎて、ちょっと笑ってしまいましたし、途中で謎の穴を調べるのに出てくる調査員の人はアナザ・ヘブンTVにも出てた人で、おお!とか思ってしまって。そういう見方はどうかと思いますが。
あえてツッコむなら、RUIの歌の場面でしょうか。ちょーっと長くないかい?と思ってしまいました。別にいいんですが。歌が3曲流れている間、話事態は進んでいるようないないような状態。とにかく草薙が走っているのです。彼の努力とイライラ感、距離の長さを表すにはあれくらい必要かとは思いますが、もうちょっと短くなるように展開してもいいのかも?と思ったり。あと、結局なんだったの?という気も残りました。原作を読んでいないので直接の原因が不明なまま。なんで黄泉がえったんだろう、という点が気になる。あえてそこには触れなかったんでしょうけど。本当はRUIの歌のせいとかなのかなーと事前に思っていたのですが、違うようでした。

■レッドドラゴン(Red Dragon)

2003-02-19

面白かったですが、やっぱりインパクトという点では「羊たち〜」に負けてしまうかなーと。 でもハンニバルよりは好き。
とにかく、グレアムとレクターの関係が気になっちゃって。最初のレクターとの対決シーンなんてもう!レクターの倒れ方が気に食わないんだけど、でもあの場面でもうおいら的ときめき度アップです。その後の展開からしても、グレアムってレクターを嫌いきれてないように思います。やっぱある意味で自分を導いてくれた人だし、尊敬もしていただろうからそう簡単には切れないんだろうなぁ。現在の、FBIに必要とされている、プロファイル(?)ができる自分は、レクターなしにはありえなかったんじゃないかと。素質はあって、ある程度は出来上がってたんだろうけど、それを引き上げたのがレクター。グラハムは彼の思考法を真似てしまう。どんなにイヤでも。そんな感じがして萌えです。
レクターにしてみたら、暇つぶし?気まぐれ?手のひらの上の駒なんだと思うけど、彼なりにグラハムには思うものがあるんだろうなぁと。なんてったって自分を傷つけて逮捕したヤツだし。例え自分が油断していたにしても。
レクターはあの結末を含むいくつかのエンディングを予想していたはず。グラハムが死ぬ結末も。それでもいいと思ってただろうし、本気で死なせるつもりだっただろうし、でもくぐり抜けたら面白いとも思ってたと思う。自分がほんの少し指を動かし運命の糸をわずかに動かすだけで、塀の外は思うように展開して行く。それを実証してみたんでしょうね。
そういう意味で、レクターが自身で動くハンニバルより、裏で操る羊たち〜や今回のレッドドラゴンの方が私の好みには合ってます。彼は超越者であって欲しい。一つ上のレベルで総てを俯瞰で見ることができる。そんな存在であって欲しい。
あとレッドドラゴンことダラハイドですが、彼は二重人格だったのか、それとも強迫観念にとらわれていたのか?気になります。あのレッドドラゴンは人格にまで至っていたのか?最後にグラハムを襲ったのはどちらなのか?気になってます。
チルトン役の人は、羊たち〜と同じ人でしたね。セットもかなり近づけてあったようですが、光の加減とかフィルムの違いなのか、ちょっと違う感じがしました。レクターの牢の奥って階段になってましたっけ?
トニーですが、あの胸板は何?やっぱ鍛えてるの?胴回りとか太目ではあるのですが、太ってるんじゃなくてがっしりしている感じ。あのシャツから想像すると胸がモリモリしている感じなんですけど?外見もハンニバルよりはより羊たち〜の頃に近づけてて、体つきも細めにがっしりさせているとは思ってたけど、すごい。カッコイイ。やっぱ好きだよーっ!

映画は原作を読む前に見て、とりあえず原作も読了しましたが、個人的には映画の方がすっきりしていて好き。グラハムとレクターにしても、ダラハイドとリーバにしても、映画の関係のほうが好きです。まぁ、レクター(トニー!)の出番が多いというのも少なからずあるんですが、翻訳ものというか、海外の小説は表現の仕方とかが合わないです。そんなに読んでいないので全部が受けつけないわけではないと思いますけどね。(ファイトクラブは面白かったし)だもんで映画のほうがどうしてもいいと思ってしまう。小説のグラハム、レクターには萌えませんが、映画は妄想に火をつけられます。エドワード・ノートンが好きというのもあるのでしょうが、映画の関係のほうが、より深く関わってる感じで、表面に出ない深いところでつながってる気がして好き。原作だとレクターただの根性悪に思えるし。グラハムもなんだかなーとなってしまうのです。
というわけで、もう一回くらい映画見とこうかなーと思ってます。

■ロード・オブ・ザ・リング(The Lord of the Rings : The Two Towers)

2003-03-05

とにかく長い。そしてまだ続きがある。すごいなー。これを映画化しようという気になるだけでも尊敬します。
前回、翻訳にクレームがついたとかで、微妙な修正があったようです。「旦那」が「様」になってましたし。それでもちょっと気になるんですけどね。「様」なんだー、みたいな。でも個人的には、正しさよりも分かりやすさの方が大事じゃないかなーと思うんですよね。翻訳ものとか読んでると、表現の仕方とかの違いが、おいらは受付けない。だからどう訳してもそれが大意で違っていなければ意訳でもいいと思います。目くじら立てて怒るようなこと?原典至上主義ではないので、おいらはその辺どうでもいい人です。
さて、今回(前回もかな?)主役はアラゴルン(アラゴンに聞こえる・・・)ですね。確かにカッコイイ。そして復活したガンダルフにびっくりサ。くだらないことですごく気になっているのは、彼の髪や髭のサラサラさ。アラゴルンとか髪短いから、洗うだけでもいいかもしれないけど、ガンダルフとかってリンスとかコンディショナーもないこの時代にどうやってあんなサラサラヘアにするんだろう?と思ってしまふ。魔法できれいにできるのかな?
ま、その辺は置いておいて、フロドの旅はどう見ても後退していますね。可愛そうに。前回は指輪の影響を受けていなさそうに見えましたが今回はバリバリ影響受けてます。最後らへんの苦しんでる姿にちょっと心引かれる鬼畜ですが、次作が楽しみだわん。
未だに原作を読んでいないので、正直、全体像はつかめていません。この中つ国とかいう場所の地理的な配置とか頭にないし。現在地がどの辺なのか?目指す塔に対してどのくらいまで来ているのか?わかりません。地図出てたけど。そしてアラゴルン達の目的もよくわからなくなってます。フロドを追いかけないといけないんだよね?違うの?その辺りがわからーん。サブタイトルの2つの塔ってどれとどれ?ってのも実はよくわからんかった。でも多分、サウロンの目玉のある塔とサルマンの住んでる塔だと思うけど。あと、3つの大まかなストーリーに分けられるんだけど、横のつながりがもうない状態だし、サルマンの塔が水攻めに合ったのを、他のメンツは知らないわけで、チャンスなのに〜〜〜と思ったりもする。とりあえずまだ途中なので、次作を見てからのお話ですね。ほんと、すごい話だ。
CGキャラのスメアゴルって可愛いんだか気持ち悪いんだかよくわからん。そして彼は2重人格状態なのだろうか?
とにかく総ての謎をしょって来年の3作目まで待つのであった。長いなぁ・・・

■戦場のピアニスト(The Pianist)

2003-03-28

 アカデミー賞での主役の役者さん(エイドリアン・ブロディ)の眉毛のあまりの八の字ぶりに見る気をそそられました。
 今までみた戦争映画でもそうなんですけど、戦時下ましてやドイツ占領下でのユダヤ人のお話なので、情け容赦なく、あまりにも簡単に人を殺していくので見ていて辛いです。自分が今見ているのは「映画」なんですけど、でもこれは事実を元に作ってあるハズで、つまりこう言うことは実際にあったということなんで、そう思うとなんて言うか、人はこんなにも簡単に人を殺せるんだなーと(彼らにしてみれば相手はヒトではなかったのかもしれませんが)悲しくなります。実際にちゃんと実行できているかは別にして、一応差別はいけませんと習ってきた世代なので、ヒトは髪の色や肌の色で差別してはいけないと思っています。そして映画を見ている限り、殺す側と殺される側にそれだけの違いを見つけ出すことはできませんでした。ああいうことはもうないといいと思う。自分があんな目に合いたくない以上、他人もあんな目に合わないでいいように、自分が傷つける立場にならなくても済むようにしないとなぁと思います。時期が時期なだけに、なんとも。
 映画の感想ではなくなるのですが、やっぱり戦争はイヤだなぁと思います。例えどんな理由があろうとも、あんな廃墟は実際には生まれて欲しくないし、あんな風に傷ついて苦しむ人ができてしまうのはイヤです。例えそれが理想論、机上の空論と言われても、エセ反戦でもいいので、戦争はイヤだ、と思ってしまう気持ちはなくしたくないと思います。今の戦争では、あんな風に簡単に敵を殺すことはないかもしれないと思っても、です。(現在の話をするなら、イラクに何の問題もないとは言えない、言えるほど世界情勢を知りませんが<それも問題(--;>、それでも戦争という手段はとって欲しくないと思うのです。だからと言ってじゃあどうすればいいのかと言われても何も言えないのですが、思ってしまう気持ちは仕方がないのでとりあえず、イヤだという意思表示はしておこうかなと思います。意思表示だけなら簡単なんですけどね。こう言うことに関して何かを言うのは、そんな資格がないと思うのですが、でも言っておきたいと思ったのは映画のせいですね)
 シュピルマンが生き延びられたのは、映画を見る限り運が良かったとしか言えない気がします。それがいいのか悪いのかわかりませんが、結局生き残った人達は、どこかしら運が良かったのではないでしょうか。ある意味では芸は身を助くといえるかもしれません。
 後半、ドイツ将校に見つかってピアノを弾けと言われた場面。その曲は知らない曲だったんですが、彼はもうずっとピアノが引きたかったんだなぁと思えて。指がこのときを待っていたというか、弾くぞぉ!みたいな、これだけできる、まだできる、まだまだ弾ける!っていう感じ。もう身についた技術がこれでもかといわんばかりに彼の中から溢れてきたような演奏でした。あの状態であれだけの演奏ができるということはもう本当に毎日毎日見えない鍵盤を弾き続けてきたんだろうなと、もう無意識に指を慣らし練習をしていたんだろうなと思います。それだけ彼はあの極限状態でも音楽を求めていたのではないかと。
 彼を助ける女性でチェロを弾く女性がいて(確かドロタの方)、バッハの無伴奏チェロ組曲を弾く場面があるのですが、この曲って映画でシンジも弾いているんですよね。思い出しちゃって。
 前に何かの映画でも言いましたが、世界史を取っていないので、西洋史はわかりません。映画の中で日付が出るのですが、それが何の日なのかわかりません。見ていれば何が起こったのかは分かるのですが、やっぱり勉強すべきかなぁ。欧米の人は日付が表示された段階で、何が起きた日なのか、わかるんでしょうね、きっと。

■ボーリング・フォー・コロンバイン(Bowling for Columbine)

2003-05-08

 何だか勝てば官軍的有耶無耶にイラク攻撃が一応終わったようですが、特に最近のアメリカって理解不能な感じで、その辺何かわかるかなーと思って見てきました。で、昔「なんでアメリカは銃乱射事件が多いのか」って思ったことがあるんですが、その答えの一つがあるように思いました。本当にアメリカでの件数が多いのか、報道されてる数が多いだけなのか。実際、件数が桁違いな感じなんですねぇ。日本は銃規制があるから、そんなに簡単に乱射事件起きないし、起きても抗争とかで無差別なのは少ないってかないと思う。その分刃物による通り魔が多いですが、それでも人口で事件数を割るとどうなんだろう?
 とりあえずこれを見て思ったのは、日本も規模とかは別としてあんまり変わらないんじゃないかなーってことです。もし銃がもっと簡単に手に入ったら、アメリカに負けないくらいの乱射事件が起こるような気がする。結局、なんていうのかな、アメリカ人(ってかアメリカ白人?)は常にビビってて、銃で身を守るんだ!って思ってないと生活できないんだよん、ってことのようです。びびってるから、ほんのちょっとしたことですぐ銃を撃つ。乱射事件とかはまた違う病理かもしれませんが、簡単に発砲する、そして銃の規制をしない背景はそうであるようです。
 で、そのびびる原因=恐いもの、恐怖は政府やマスコミが植えつけてる、と。
 あと職のない人に職をあげてるとか言ってるけど、逆にそれが子供との時間をなくしてるんだよってのもあった。明確な差がある意味日本以上にすごいのかな。
 ショッキングさを優先に、視聴率が取れることを優先に、とりあえず目を引くものを前面に報道して、不安をあおっている、って批判。近いことは日本のマスコミもしていると思う。てかアメリカが手本でしょ?何もかも。最近報道ニュースもワイドショー化してるし。おいらはあんまり好きじゃないです、ニュースのワイドショー化。というわけで、日本での通り魔事件とか、今の白い集団みたいな人はなくならないだろうし、下手すると増えるかも、って思いました。
 高校生で学校で銃を打ちまくって自殺した事件(これがコロンバイン高校っていってタイトルの意味)を最初取り上げるんですが、朝ボーリングしてからおもむろに学校に行って銃を撃ちまくったらしいです。「原因がわからない」「理解できない」と言う意味では、日本にだって同じような事件はあるわけだから、他人事じゃないんだけど、これってアメリカと日本だけの病理なのかなー?なんて。
 比較対象としてカナダが出てくるんですが、銃の事件が断然少ないのは分かったけど、未成年によるわけわかんない事件とかも少ないのかは言ってなかったと思います。ただ、びっくりしたのはカナダでは家に鍵をかけないということ(在宅時だと思いますが)昔の日本もそうだったはずで、今もそれができるところがすごいなーと思いました。今自分は絶対にできないし。
 日本では本当に何かってーとアメリカアメリカって言うけど、どうせならこういうカナダとかヨーロッパとかを手本にすればいいのに。
 基本的に銃は動物を撃つための道具です。猟銃以外の拳銃とかの類は「人」を撃つための道具です。それ以外の使い道はありません。私は撃たれたくないので銃はないほうがいいと思います。あれだけ氾濫してしまっているアメリカでは今更それを一掃はできないのかもしれませんが、アメリカには行きたくないなぁ。日本人だってだけで撃たれそうなんだもん。
 これを実際にアメリカの人がどのくらい見てて、どのくらい評価してるのか、それが大事だと思うのですが、実際どうなでしょう。アカデミーは貰ってるけど、これを見て「じゃあ自分はマスコミに躍らされないし、銃も持たない」って思う人は少なそうな気がします。
 えっと、マリリン・マンソンって人をこれで初めて見ました。で彼のほうが常識的に見えるの。見た目でなくて言ってることが。マリリンって「聖・高校生」で名前だけ知ってたんだけど、こう言う人だったのね。

■ラーゼフォン 多元変奏曲

2003-05-08

 何の予備知識もなくこれを見た人はどう思ったのかなー。事前にビデオで予習をしてしまっていたのですが、止めておけば良かったです。
 話は一応遥と綾人の2人に絞って展開してて、でどっちかって言うと遥が主役っぽい。のに、主役になりきれてない感じ。中途半端に綾人が主役でその中途半端さがすっきりしない感じ。それになんつーか、TVでの脇役達の話も知ってるので「もったいねー」と思うほど、他が翳んでいる。TVを知らないと「もったいねー」とは思わないんだろうし、その方が楽しめた気がして・・・一色真なんて爆笑キャラなのを知ってるのに「あれだけー?!」って思っちゃって。亘理なんて・・・(確かに必要か?と言われれば・・・)鳥飼君もなんか背景が分かりづらいかも。記憶と絡めてあるのはうまいとも思いましたが、うーん。確かにこっちの方がすっきりはしている。登場人物を絞って、エピソードも絞って、これを見ると確かにあのキャラは居なくてもよかったんだな、と思うキャラはいる。最後にバーベムを撃つのは確かに彼の方が適任かもしれない。でもTVを知っているからだと思うんだけど上っ面だけな感じなんだよー!
 本当にTVシリーズを見ないで見ればよかったーっって思います。あーもったいねぇ。絶対楽しめたと思うのに。
 正直、TVシリーズはあれはあれで完結しているので、改めて映画として作りなおす必要があったのか、と思わなくないです。期待していただけになんだかねぇ。坂本真綾の歌声はやっぱりいいと思うけど。(ヘミソフィアに惚れてTVシリーズ見てたようなものだし)
 あとどうしても言っちゃうけど、朝比奈が死んだあとの展開が・・・やっぱりなんか朝比奈可哀想と思うのよ。「哀しむ綾人を慰めるため」じゃなくて2人の気持ちの確認で、ハッピーなHだったし。綾人も朝比奈より遥が好きなのはいいとして、あのタイミングでやらなくったってと思うのは朝比奈に対する判官贔屓なのかなー?(別に朝比奈好きではないが、ってかどっちかってーと苦手だし)
 映画がどうこうでなくて、見る順番が残念でした。

■アカルイミライ

2003-05-14

 オダギリジョーと浅野が出てるのは覚えてたんですが(ってか当たり前か)藤竜也が出てるのを忘れてました。その昔プロハンターの頃ちょっとファンだったのですが、今回オッサンになっててちょっと悲しかったです。ま、オッサンの役なので、ちゃんとカッコイイ叔父さまをやれば、まだまだカッコイイと思うのですが。
 オイラは今明るい未来は見られないですね。普通のただの未来しかない感じ。子供の頃は明日を楽しみにするってことがままありましたが、今はあんまりないなぁ。
 キレやすい20代の三村・オダギリさんはいい感じで、守・浅野もなんか一見普通でお兄ちゃんなのに、もしかして一番ヤバかった?ってのが似合ってる。この2人に妄想が爆発しそうです。視点が低めでちょうど腰〜お尻の辺りが画面の中ほどにある場面が多かったように思うのですが、お尻が素敵でした。
 藤竜也のお父さんはね、普通なのね。特に悪くはない。確かに情けないけど、うちの親父だってあれくらいには情けないと思うし。だから守の環境はそう特異なものではないと思う。離婚してる家なんてそれこそいっぱいあって、母親は知らないけど、ああいう父親もたくさんいて。なのに守は人を殺して自殺できる。これは守は特異ではなく、彼も普通だってことなのかなぁ。おいら達がもっと年を取ったとき、世の中を動かすのはああいう人達で、って思うとちょっと恐くて寂しいかも。
 最初の方のおしぼり工場の社長さん(?)はオイラも嫌いなタイプです。でもああ言う人っているよねとも思う。無自覚に他人の領域にズカズカ入り込んでくるやつ。実は結構な頻度で存在しているのだろうか。ほんと、嫌いです。でも殺してやる!とは思わない。どうして人を殺せるのかな?恐かったり気持ち悪かったりしないのかな?と思うんだけど、どうなんでしょ。この社長さんやってる役者さんは「怪」にも出てましたね。なんとなく顔を覚えている。
 色々あってあの「許すよ」の場面では正直ちょっと涙が込み上げたりもしたのですが、終わってちょっと???って感じです。ファンタジーなんだかリアルなんだかどっちに落せばいいんだろう。ってか落しちゃだめなのか、この宙ぶらりんな感じがいいのか?あのクラゲがね、あれでファンタジーな感じがする。あり得そうであり得なさぶりが。守はあれ幽霊なのかなーとか。
 最後のエンドロールの男の子たちの行進を見て、ラブ&ポップを思い出したのですが、彼女達には肯定的な気分になったのに(頑張れ!って思ったんだよね)彼らにはそういう感情はなくて空虚さっていうか、やっぱり彼らは怖い感じのままだったのは、タダ単においらがあれくらいの男の子が苦手だからかなぁ?でも女子高生だって決して得意ではないのだが。
 映像は影の使い方がすごいなーって思いました。能みたいっていうのかな?顔をちょっと上向けたりうつむけたりするだけで、顔が見えたり影になったりするライティングで、面白かったです。

■JAM FILMS

2003-05-25

 短編集って始めて見たんですが、面白かったです。「the messenger」「けん玉」「コールドスリープ」「Pandora」「HIJIKI」「JUSTICE」「ARITA」の7作品なんですが、個人的にはJUSTICEのバカバカしさがなんとも言えず好きです。コールドスリープの大沢たかおの壊れっぷりもいんですが、妻夫木の何とも嬉しそうな顔と「正」をJUSTICEと答える辺りが一番面白かったかな。HIJIKIの何とも言えない空気も嫌いではないんだけど、ちょっと異質っぽい。後味のワルさも笑えるけどね。メッセンジャーはスカイハイでした。こういう短編集もいいなと思います。短編って一作じゃ上映難しいしね。次があったら見たいと思います。
 ちなみにカップル率が高かったように感じたのですが、なぜでしょう。

■CHICAGO

2003-05-28

 こういうのってなんて言うんでしょうね。ミュージカルなのかな?ダンスシーンは面白かったです。ロキシーはちょっとおバカな金髪女性ってことで可愛いんですが、ヴェルマ(ゼタ・ジョーンズ)の体はなんつーか迫力がすごくって怖かったです(^^;だって筋肉けっこうついてましたよ?ロキシーのが柔らかい感じで、男受けはいいような気がするんだけど・・・実際のとこどうなんでしょう。弁護士ビリーは、タップのシーンもすごかったですが、それより操り人形の記者をバックに、ロキシーと腹話術しているダンスのシーンが一番好きです。あれけっこうすごいと思う。リチャード・ギアが、ではなく、後ろの記者さんとかが。あとロキシーの旦那(エイモス)のミスターセロファンも哀愁が漂っていて好き。なんとも言えず情けない。情けなくてでも一途でちょっと可哀想。
 ロキシーが監獄に入って最初の夜かな、6人の女性の投獄理由を踊るシーンも好き。それぞれの女優さんが迫力のあるダンスを踊ってて、カッコよかったです。ママのダンスも迫力あったけど。
 ただなんて言うか、あのマスコミのネタを追いかける感じがね、とりあえずセンセーショナルな方へって行ってしまうあたりが、結局今も変わらないよねっていうか、一人、絞首刑になるんだけど、そのシーンもステージ化っていうか比喩ってて、実際に人が死ぬことすらもエンターテイメントにしてしまう、面白がってしまうと言う点では、当時のシカゴだけの話じゃないと思う。現在を反映してるよねーと思ったり
 アメリカの裁判のイメージって今もあれと変わらないんですが、実際はどうなんでしょう。真実や正しいか正しくないかではなく、アピールができるかどうかで判決が出る。日本だと、事実真実を求めるけど、向こうは裁判も本当にサーカス状態?エンターテイメント化していると認識しているんだけど。ああ言う状態で裁判は受けたくないなぁ・・・結局金持ちはなんでも許されるって感じだし。司法くらいは万民平等を目指して欲しいよぉ。
 結局あれで彼女達は幸せなのかなー?ってそういう話じゃないんだけど、あの世界でずっと有名でいようと思ったら大変だもんね。彼女達のその後がちょっと気になるのでした。

■めぐりあう時間たち(The Hours)

2003-06-15

 とりあえず一番印象に強かったのはローラ・ブラウン(ジュリアン・ムーア)。彼女のあの何とも言えない表情がすごい。3人の女性の中で、彼女と息子のリッチー(ジャック・ロベロ)が一番気になったというかきた。そしてリチャード(エド・ハリス)。エドは以前から好きなんですが、今回末期の病人でかなり病んでいる役なのにも関わらずなんか良かったです。彼のあの青い目が妙にきれいに思えて。切羽詰った精神状況の中でもその目だけが彼の知性というか理を表しているように思えました。
 ローラの気持ちってわかる気がして、そしてそれを察しているリッチーも可哀想で。「置いて行かれる、捨てられる」って思う彼の叫びが耳に痛かったです。無邪気にローラを傷つけていて、それに欠片も気づいていないってか、思いも至らない(至る気もない?)夫のダン(ジョン・C・ライリー)が、シカゴのミスターセロファンだって所もまた皮肉な感じです。でもローラは本当にあのままだと生きて行けなかっただろうなーって思うので、本当は子供を捨てて行くという行為は嫌なのですが、認めてしまいます。
 ヴァージニア・ウルフ(ニコール・キッドマン)とか、クラリッサ(メリル・ストリープ) もそれぞれに思うところはあるけど・・・って感じです。ニコール・キッドマンってほぼスッピンみたいな顔に見えたけど、それでもなんつーか普通のようでもきれいだなーとか、そういうのはあるんだけど。
 とにかく、暗い話ではある。死にたがり、自殺希望者が多いし、実際に死ぬし。同性愛ぽい(?ってかモロか)のもあるし、なんか末期のエヴァみたいな感じがした。自分のしたいように生きようとすると誰かを傷つけてしまうことはあるし、どんなに年をとって大人になっても、傷つかなくなることもなければ傷が消えることもないってのを改めて感じましたです。

■The CORE

2003-06-29

 宇宙はやり尽くしたから今度は地下へって感じですか。よくあるパターンの映画です。ほんと、死なんとあかんのか?全員無事帰還しちゃ話にならんと思うけど!
 地球の内部ってざっぱな構造は知っているけれど、実際にああいう水晶の空洞とかダイヤの塊(これはあるかもなぁ)ってあるのかなー?その辺はどこで聞けば良いのでしょう。
 今回はヒトのせいでコアの回転が止まりましたが、あれは周期的に止まるって説があって、地軸がずれるとか極が飛ぶとか色々あるようです。自分が生きているうちにはないだろうと思うけど、いずれは(ってもどれくらい先なのか不明)起こり得る話ではあるらしい。
 くじらのCGがイマイチでしたが話はそれなりに面白かった。でももう少し違うパターン希望。

■恋愛寫眞

2003-07-03

 オイラ以外は男性が2人しか見に来てませんでした。そしてなぜか2人とも途中で一回外に出てってるのは何故?
 目的は松田の息子。でも小池栄子に拍手。いや面白い。話は少女マンガだと思う。あと広末をアピールするための映画かなー。写真はやっぱすごいのかもしれないけど、その辺は素人には判断つかん。
 かなりご都合主義な展開に思えます。んなうまくいくかい!って感じだけどそこはそれ、映画なので。
 会話というか言葉遣いが現代若者でした。おいらにゃ話せない言葉だ。
 広末は不思議ちゃんやらすと合うよね。松田龍平はもうちょっと追っかけて見たいかなー。成長を楽しみにしておりまする。

■ラヴァーズ・キス

2003-07-03

 正直原作の方が好き。予告の「鎌倉恋愛物語」とかいうキャッチが個人的に嫌で、見るの止め様かなとも思ったんですが、やっぱ一応見ておかねば、と思って見てきました。
 リカコやってた子はなんとなく浜崎ちっくなイメージ。マンガとか小説を演じる時って、人間が演じることで出るものと消えるものがあって、今回は消えたものの方(具体的に何かと言われると困るが)が気になってしまいましたです。吉田秋生の絵の持つシャープっていうか、あの絵だけでも感じられる印象って生身の人間ではムリな空気だと思う。人間になった段階で、それだけで消えてしまう気がします。だからってアニメならいいのかというとそれも違うかな。バナナフィッシュとかもたぶん実写にしろ映画にしろイメージが違ってしまうのでしょう。ある意味一番そういう他メディア化に向いていないかもしれない、吉田秋生の絵って。

■ソラリス(SOLARIS)

2003-07-17

 BGMがgood。雅楽みたいな感じがした。ちょっとサントラ欲しいかも。そしてジョージ・クルーニーのお尻にらぶ。
 すごく淡々と話が進んで、ちょっと「2001年宇宙の旅」を思い出してしまった。よく宇宙ものである、「これでもかーっ!」っていうギラギラした機器や設定のSFさがなくて、あくまでもSFは舞台設定でしかないような感じ。実際それを狙って作ったらしいけど。
 人生やり直せるか?というテーマらしいけど、おいらはそう取らなかったなぁ。結局人間は何度繰り返しても同じことをするんだって思いました。それでも戻ってやり直す(過去)んじゃなくて、これからを変えたいと思ったら変えられる(未来)、だと思ったんだけどなぁ(いやそれも人生やり直せるか?だって云えばそうなんだけど)
 亡くした妻を思うクリスはちょっとゲンドウだぶり。心象な感じがエヴァと思ってしまう、今だ重症な自分。
 もし自分がソラリスに行ったら、誰が客として現れるのか。知りたい!公式サイトのミニゲームみたいのだとペットとかなんとか出たけど、飼ってないぞペット。実在しない存在でもOKなら嬉しいなぁ。
 噂の昔のロシア版も見てみたいなぁ。(で結局Amazonでサントラ買ってしまった。国内で出てないみたいだけどなせ?)

■THE MATRIX RELOADED

2003-07-17

 第一印象。あんたらいちゃつき過ぎ。ヒトがいなくなったらチューチューちゅうちゅう。ま、人類と引き換えてしまうほど大事な恋人ってことなので当然かもしれんが、ちょっとやりすぎ。
 とりあえず続きがあるので今回は伏線張りまくりで終わったようにも思います。アクションは面白い。CGもここまで使ってくれるといっそ清清しい。どっちかというとCGが少ないと思われる予言者のボディガードとの殺陣(でいいのかな)の部分のほうが好きだけど。特にスミス大量発生のシーンは面白いけどちょっとCGに飽きちゃう感じ。それよりは高速でのカーアクションのが面白い。(こっちもCG使ってはいるんだけどね)日本の時代劇にどっぷりつかった自分的にあの日本刀の効果音は許せんものはあるが。あとネオの飛び方もちょっとどうかと思うが。(スーパーマン飛びしないとダメなのか?ああいう場合)あとあとKeymakerがなんつーかオヤジ!って感じで好き。
 最後らへんの管理者との会話の頃、すんごく腹へってて、会話がよくわからんかった。マトリクスの世界は6度目ってことだよね。なんかフジリュー版封神演義を思い出してしまうわん。あとコンピュータに支配された世界的にはたがみよしひさのグレイなんかも。
 続きではぜひ、飛ぶのではなく直接別の場所に現れる(行きたい場所にデータを組めば可能だよね?)テレポートまがいをやって欲しい。今回飛びまくってくれたのでぜひ!

■神に選ばれし無敵の男 INVINCIBLE

2003-07-25

 ティム・ロスを見に行ってきたのですが、主役はジシェでした。ハヌッセン(ティム)って主役じゃないと思うけど、広告では主役ティム・ロスなんだよね。まぁ一番目を引くと思うけど。
 ジシェがすっごい素朴でいい味出しているんだけど、なんて言うのかな、純朴さが最後にちょっと辛い。弟のベンジャミンもなんか示唆的に夢に出てきたので、何かあるのかなーって思ったりしてたんだけど、結局は何も無かったようです。カニがユダヤ人で列車がドイツ軍の比喩なのかなと思ったんですが、どうなんでしょう?
 最後まで自分の美学を通そうとするハヌッセンってカッコイイなぁとは思うのですが、あの時代うまく立ちまわるのって難しいんだなとも思う。ま、オカルト省ってどうかと思いますが。
 一応実在の人のお話ということで、ハヌッセンは有名らしい。ジシェはその点イマイチ知られていないようです。
 公式サイト見てたら、あの催眠術マジでティムがやっていたみたい。すごいなぁ。そういえばあんまり瞬きしてなかった。少なくとも舞台の上では。なんかハンニバル博士みたいだと思ったです。
 ジシェって結局「神に選ばれた」ことになるはずなんだけど、あの最後は考えてしまう。結局彼は何をせよと言われて生まれてきたのかなー。信心深い人が報われないのは好きではありません。

■D.I.(Divine Intervention)

2003-08-07

 なんて言うのかな、台詞のない(まったくないわけではないんだけど)状況とか間とかで笑わせる感じの映画です。全体を通してのストーリーがあるようなないような感じ。最初何がどうつながるのかなーって思うシーンが続いて、それからおもむろに真打?って人が出てきて、でもよくわからなくて、でも笑えるという。
 人んちの庭にゴミを捨て続けるおっさんとか、道路の修繕を拒否してる(?)おっさんとか、それをただ見てるだけのじーさんとか。バス停でずっと立ってて「バスは来ないよ」って言われても「知ってる」って答えて実は向かいの家の女性を見ているおじさんとか。主役?と思われる人は検問所で女性と密会してるんだけど、駐車場に車止めて、中でずーっと手を握り合ってる(ぎゅーってしてるんでなくて、撫でまわしてる感じです)で、某偉い人を書いた風船を飛ばして検問所を撹乱して女性を連れ去るのはいいんだけど、その後がいまいちよくわからんかった。壁一面になんかポストイット張ってるし。彼女とは結局うまくいかんかったんだろうか?そういうことを考えたらダメなのかな?病院の情景とか、道に迷うアメリカ人とかシーン全てがコントめいてる。コントを繋いで話しにしているっていうのが近いかな?
 主役のおじさんの彼女(一応ヒロインのはずだ)がめっちゃカッコイイ。最初検問通る時とか、最後らへんの射撃訓練に邪魔に入るところとか(多分同一人物だよね?)すごくカッコ良くてきれい。カッコイイ美人は好きだ。
 正直どこの話なのかとか一つも予備知識のない状態で見たので、舞台がどこなのか、検問所はどういう立場の検問所なのかとか全然わかりませんでした。中東でイスラム社会でっていうのは分かるんだけど。検問所の人はすごく横暴で、お米の国の人みたい。戦争が起こったりテロが起こったりしているわりに、そういう政治情勢を知らない自分。ちょっと勉強しようかな。

■セクレタリー(secretary)

2003-08-15

 東京で見てきたんですが、鼾かいて寝てる奴がいやがった!隣とかだったら殴るところだ。寝るのは良いけど鼾はヤメロ!
 えっと、SMのお話って言えばいいのかな。主役のリーさんは自傷癖のある、まぁMっ気のある人なのですよ。それが仕事探して秘書になって、そこの主にお尻叩かれて目覚めてって展開なんですが、SMって言うけど日本でたぶんイメージされるのとは違うと思う。なんて言ったらいいのかな、女王様が鞭を振り振りってんでなくて、従属関係というか、こう、相手に制限をかけて楽しむ感じ?アン・ライスか誰かのお話を立ち読みしたことあるんですが、それもこんなかんじ。
 でもリーさんの変わり様はすごい。最初は本当に冴えないんだけど、秘書としてがんばろう!って意気込みとMr.グレイへのSM恋愛感情でどんどん素敵(って言っていいのかなー)になっていく。これが自分の幸せなんだわ、って自覚はこれだけ人を変えるんだなーって思います。
 Mr.グレイは自分の性癖に自覚が無くて、彼女の変わりようにビビって逃げ出すんだけど結局は彼女とくっつくんです。でもなんかその、くっついた形態がよくわかんなかった。あの2人の間にはやっぱり以前と同じようなお仕置きとかがあるのだろうか。普通のセックスしてたように思うんだけど、どうだろう?
 あと、当て馬的なピーターですが、役者さんがね、ソラリスにも出てたんですが、こういう暗ーい引きこもりっぽい役が似合ってます。
 SMではある意味Mのが主導権を握っている部分もあるって何かで読んだことがあるけど、これもそんな感じがします。ちょっと変わった恋愛映画ですね。

■踊る大捜査線2

2003-08-27

 前作見てるし、やっぱ気になるしってんで見てきました。うん、面白い。TVシリーズは実はまともに見ていないので、映画の前作しか知らないのですが、踊る〜らしいと思いますです。
 どうでもいいようなくっだらないのがちゃんと絡んで全体像を描くってのが結構うまく作ってるような気がします。なんていうの?テンポが良い?前回よりもなおヨコシマな見方をしてしまったんですが、本当はちゃんとすみれさんとくっつくんだろうなぁ。
 筧さんとか小木さんとかがもうちょっと目立ってくれてもよかったかなーと思いますが、ま、脇だし。
 コメントとかできないかなー。とりあえずこれは見てなんぼでしょ。細かいネタをあーでこーで言う映画ではないと思う。
 テレビシリーズから人気があった奴なので、たぶん普段あんまり映画見に来ないような奴も見に来てるンだよねー。だからだと思うんだけど、上映中、それもシーンとなってる場面で喋んじゃねぇ!

■天使の牙

2003-08-27

 正直そんなに期待してなかったので面白かったです。大沢たかおと佐野史郎が目的だったんですが、こっちにも小木さんが出てて嬉しかったです。なんだろう、顔が気に入ったのかな、声が気に入ったのかな?小木さんって結構好きです。
 最初に大沢に打たれたチンピラはどっかで見た記憶があるのですが思い出せない。妙に覚えている顔なんだけど。細かーいことを言えば、脳移植ってマジで可能?とかあの2人の移植に重要な型が合ってるなんて、都合よすぎ、とか思うけど、そう言うことをどうこう言う映画ではないのだな。
 佐野と西村雅彦のシーンがなんか良かった。ぬぼーっとした台詞まわしに腹の探り合いがなんともはや。島田久作さんの使い方とかは勿体無い気がするんですが。萩原健一の君国は当たってるようなハズれてるような微妙な感じ。
 小説と違って映像ではどうしても中身が別人って言われても難しいところがあって、最初の明日香と後の明日香は別人みたいに思ってしまう。はつみって人がイマイチはっきり出てないからなおさらな気も。あと折角「天使の牙」なんだから明日香の活躍をもう少し、なんていうのかな、もっとこう毒のあるようなというか、別人になってしまうという状況を跳ね除けて、もっと違う部分が覚醒するような感じを前面に出して欲しい気も(ってかオイラに感じられないだけ?)
 続きつくりまっせーって終わり方だったので続きに期待。

■ドラゴンヘッド(DRAGON HEAD)

2003-10-01

 ちょーっとだけ原作立ち読みしてたんですが、原作進み遅いので原作に忠実なのか不明。そしてドラゴンヘッドって何さ?って感じ。パニック映画ってわけではないと思うんだけど、なんて言うのかな。試練もの?としては王道な気もします。
 とりあえず最初転びすぎです。実際あんな感じになるのかもしれないけど、見てて「おいっ」って言いたくなるくらい転ぶんでどうかと思います。んでやっぱり言葉使いがね。ノブオとかへの台詞とか、今時の子は当然使うんだけど、おいらは言えないぞーって言葉がナチュラルに出てくるんでいいんだか悪いんだか。
 原作確か終わってないはずなので、どー決着つけるのかと思って見に言った部分もあったんですが、結局何がいいたいのん?って気もしなくもなく。ドラゴンヘッドの何が言いたくて映画にしたのだろお・・・最後に唐突に山が爆発するんだけど、それもなんか取って付けた感がするのですよ。恐怖を感じないと死を避ける事もしなくなるってのは前からよく言われていることで、麻薬にも同じような作用があるとも聞くし、なつかしのシティハンターなんかでも出てくるネタですが、それが言いたいのとも違う気がして。おいらも狂った方が楽だろうなーと思う一方でそんな風になる自分が許せない。狂った自分を想像すると寒気がするってことがたまにありますが、そういうところもちょっとあるような話。
 あれ皆が恐怖でおかしくなっているってことなんですが、それはああいう極限状況が引き起こしたものなのか、そうではなく人を狂わせる何か(磁場でも良い)があってそうなるのか、どっちなんでしょ。普通、もう少し落ち着いて行動する人がいてもよさそうな気がするので、人の脳を狂わせる何かがあるの方が自分的にすっきりくるように思います。
 テル君達が出会う人たちは結構有名どころな役者さんなんですがそれぞれの出が短いのでなんだか勿体ないです。あの流れで藤木(仁村)だけがピックアップされる理由がわからん。瀬戸さんはとりあえず「テルはひとりではない」というだけの存在にも見えて、もう少し彼女自身に強い意思が欲しかった気もします。
 とりあえず、これって原作終わったら続き作るのかな?

■28日後...(28 DAYS LATER)

2003-10-09

 「恐怖」が感染して人を狂わせ、殺していってしまう、という話、でいいと思うのですが。にしても、接触からほんの数十秒で人を豹変させてしまうものってウイルスにしてもあり得ないだろう。いや物語だから、別に良いんだけどさ。なんていうか血液感染なのは間違いないんだけど、健康な皮膚は接触しても問題なくて、傷口や粘膜からだと感染してしまうあたりはウイルスっぽいんだよね。でも感染の成立が早すぎ。狂暴になるんだから脳なんかの中枢に作用していると思うのですが、ちょっと現実的にはありえないなぁと思います。まあ話のなかではそういう今まであるものではなく、なんていうが凶暴性という概念が実体化したもの的なモノな気もする。
 感染した人の恐怖より、結局は感染していないはずの人の狂気の方が怖いんだよね。ていうか結局人間、壊れたら怖い存在になってしまうんだっていうか。簡単に狂暴になれる、簡単に理性を無くせるって方が本当は怖い。仲間が感染したってわかったときのセリーナの殺し方。で軍人達の狂気。どっちも怖かった。実際感染したらああするしかないって設定なんだけど、やっぱ怖いよ〜。
 エンディング2パターンあったんだけど、個人的に救いのある最初のやつのが好き。やっぱ最後はちゃんと救われて欲しい。
 イギリス映画であんまりお金も掛かってないらしいですが、面白かったです。

■陰陽師II

2003-10-22

 やっぱり野村萬斎さんの清明は良いなぁという感じでしょうか。狐顔っちゃぁそうだし。そして何といてもあの巫女舞が妖しく麗しいよん。決して女性に見えるわけではないのですが、紅なんて引いちゃってさ、なんかいやーんな感じですね。なんてったってあの裾のながーい巫女装束で舞うんですよ?かっこいいったらありゃしない。あれであんだけ舞えるんだからすごいよ。
 正直言えば、ストーリーを完全には把握してないと思います。でもなんていうか、盛り上がるいつれて笑いたくなってしまったのはただ単に私の頭が腐れているだけなのかな?なんつーか、「博雅!そのままちゅーだっ!」って思ったりとかさ、「その手、女だったら胸の位置なのにぃ」とか思うあたり腐れてるよねぇ・・・。日美子の腕のオロチを開封(?)しようとする場面で、なんていうか日美子の背に回されてる清明の手にいやらしさを感じたりするのもやっぱおかしいのでしょうか。そういうストーリー上どうでも良い所にばかり目が行ってしまった。
 個人的には、ストーリー云々より見せ方がね。変なCGは要らんので、全体的な説得力を持たせてくれ。巻物が浮くのもさ、全編でやれよ。どうせCGを使うなら、スサに使いなさいスサに。あの顔面ペイントは何?一応荒ぶる神なんじゃないの?復讐に燃える神なんじゃないの?なんで人間である幻角の方が存在感あるのさ?そりゃ役者さんの格として仕方ないのかもしれないけど!せめて最後のアマテラス並にCGでカッコ良くしてやれよ!頼むから!
 もっと細かいことを言えば、いくらなんでも帝バカすぎでしょう。一応人の上に立つんだから、それなりの英才教育受けてるはずやん。なんであんなアホなん?まだ前回の帝の方がカッコ良かったよ。そうそう、バカと言えばバカ貴族が山田辰夫さんでした。おじゃる言葉がなんともバカさ加減を増長していてよかったです。
 とりあえず、第3段も希望だけど、ジャンプみたいにどんどん敵が強くならなくていいから、そういう勝負よりももっと別のところに焦点を見出して映画にして欲しいです。ぜひ。

■トーク・トゥ・ハー(talk to her)

2003-11-09

 ある意味で献身的な愛の話なんですが、ただのストーカーと言ってしまってもいいような・・・ベニグノの境遇ってやっぱ普通じゃないと思うので、彼がああ言う風にしか人を愛せないのは仕方がないのかなーとも思います。確かにすごいと思うのさ。アリシアへの献身って言葉しか思いつかないけど。普通何年も植物状態で寝ていると筋肉ってなくなって廃用症候群だったかな、使わないものは使えなくなっていくんですが、彼女が目覚めて確かに完全に普通には歩けてないけど、あれだけ動けるのは、ベニグノが毎日体を動かして刺激してマッサージしてってしてくれたからなのは間違いないと思う。でも彼女はその事実を知らない。この先もずーっと知らないかはわからないけど。ただ、彼女に言えないのも確か。アリシアの意識がある頃にもっとちゃんと友達とか恋人だったんならいいんだけど、完全に意思のない状態のアリシアに勝手に自分の妄想を押し付けて恋愛してるんだから、あれは強姦だと思います。
 マルコとリディアの方はなんていうか、マルコがちょっと可愛そうかなーと。もしリディアがマルコを選んでいたら、マルコはベニグノの刺激されて意識のないリディアに触れてあげられたんじゃないかな。でも彼女は元彼とよりを戻そうとしてたって言われたら、マルコの出番はないんだよね。結局それがリディアの死を早めたんだと思うし。ただ、マルコがなんであそこまでベニグノを友達と思えたのかはちょーっとわかんない。おいらはベニグノキモイってちょっと思ったし。その辺は男同士で何か通じるものがあったのかなー。
 とりあえず、マルコとアリシアには未来があるエンディングだったのでよかったです。

■デブラ・ウィンガーを探して(Searching for DEBRA WINGER)

2003-11-20?

 ぶっちゃけた話、デブラ・ウィンガーって知りませんでした。調べてみたんですが、彼女の出ている映画は見たことないです。のでどんなに素晴らしい女優さんなのかは正直わかりません。
 こういうのはインタビュー映画って言うんでしょうか。全然知らない女優さんから超有名な女優さんまでたくさん出てます。で、やっぱりアメリカでも女優って難しいんだなーって思います。男の俳優は、年の取り方をうまく魅力にさせてもらえるんだけど、女優はそれが難しい。そいういう映画が少ない。少なくともハリウッドでは。ってことですね。でやっぱ仕事より家庭ってだんなに言われるんだな。いいじゃん、仕事頑張るお母さんも、って思うんですが。家にいるからいい親ってことはないよねー。
 セクハラだってされてるのよ!って話もあって、その辺は一昔前の3流の芸能界マンガのようなことが実際にあったりするのでしょうか。結局はさ、自分は自分ってことだと思うし、みんな同じような悩みは持ってんのよ、ってことだと思う。それって女優さんには限らないし、家庭と仕事の両立にも限らないよね。

■g@me

2003-12-03

 彼女のために良かれと思ってやってんだろうけど、こういうのって結局ずっと引きずることになるのよねん、とか思ってたらほんとにそーだった。
 イザムンが出てましたが、最初一瞬わかんなかった。きれいさで言えば前のが絶対きれいだよね。隣のねーちゃんズにキモイって言われてた。そしてそれは納得なのであった。でも頑張って欲しい。石橋凌も自分の中では微妙なのだな。カッコイイ?椎名のきっぺーさんとかが出てて配役が面白かった。ガッツ石松も出てたし。
 ネタばれるかもしれないけど、2つの場所での似たような状況を交互に映すことでまるで1つの場所のように思わせるって小説でも良くある手だけど、やっぱり効果あるなーとか思ったり。
 最初のわがままおじょーちゃんはすっげぇ嫌いなんでしが、後半可愛くなっていくのは、可愛いのが素なのか、本当に変わったんか。どーなんでしょーね。実力を伴ってもいるけれど、プライドがヒマラヤのよーな男ってあーんまり近づきたくないんだけどね。映画と言う形で一方的に見てる分には面白いね。
 ストーリーとかはまあ面白かったのですが、個人的に最後。「ゲームオーバーか」であっさり引き下がるなよ!みたいな。追っかけないの?とか、落ち込まないの?とか思うエンディングでした。んな簡単に諦められるんならそもそもあんなゲームせんでよかろう?

■KILL BILL

2003-12-04

 日本人には受けると思うけど、外人さんにはどうなんだろう・・・?シリアスストーリーなんだけど、笑えるのはうちらが日本人だから。「ナイって!」って日本人が多すぎ。
 一応子供の頃に時代劇を見て育った世代なので、日本刀の使い方というか、チャンバラの型がなってないのがちょっとイヤ。日本刀ってさ、2,3人切ったら肉と脂で切れ味落ちるっていうよね。あとは切るんじゃなくて殴るに近いって聞いたことがあります。本当のところは知りませんが。西洋の剣はどうか知らないけど、あんなに沢山連続して切れるか?それと血が出過ぎっていうか飛び散りすぎっていうか、出血多量で死ぬんじゃない?ってほど血が迸っているのもなんとなく可笑しかったです。でも日本刀の効果音は耳慣れてる音だったと思うので、日本のものを使っているんだと思う。マトリクスん時は「これ日本刀ちげーよ!」だったけど。
 おいらは栗山千明が出てるんで見に行ったんですが、GOGO夕張(ってこの名前もどうよ?)ってば鉄球のついた鎖を振りまわして戦うんだけどさ、思わず回り中から失笑って言ったらだめなのか、クスっと笑いが。シリアスにやってるからなおさら。面白い。いやイイデスネー。女子高生ルックってのもね。死に方がなんともはやでしたが、それでも一応強かったみたいだし。彼女はこの路線で行くのだろうか。応援してるぞ!
 個人的に、せめてルーシー・リューにはもうちょっと流暢な日本語を話して欲しかったデス。一応「石井」さんなんでしょ?子供の頃はもうちょっとしっかりとした日本語話してるじゃん。ここぞと言う時は英語になるのはいいんだけど、やっぱなー。姐さんには日本語で「往生しいや!」とか啖呵きって欲しいよ!
 その他。ブライド目覚めた時に4年経ってるってわかってるのはなんでだろー?そう言えばルーシーリューの部下のマスク、カトーマスクって言ってた。千葉真一はなんで沖縄にいたんだろう。服部半蔵って名前もどうかと思うが。気候や使う炭とか違うと刀って作りにくくない?ってか相棒との仲があやしーんだけど?アニメはクオリティが高いと思いました。それと刀もって飛行機には乗れんぞ!あと怨み節が良かった!なんかかっちょいーっ!ってなところかな。
 とりあえずやっぱvol.2も見ないとね。

■ドッペルゲンガー

2003-12-09

 役所さんは情けない役でもカッコイイ。うーんいいおじさんだなぁ。ユースケサンタマリアってあんまり好きじゃないんだけど、今回ヤな役なんでやっぱり好きではない。
 しかし、自分の分身なんて現れたらおいらだって絶対殺しちゃうね。自殺は、しないと思いたいけど。絶対に自分なんてヤなやつに決まってんじゃん。サイテーだと思う。ので会いたくないデスネ、切実に。
 途中ちょっと気分的にダレましたが、とりあえず面白かったでし。

■フォーン・ブース(phonebooth)

2003-12-10

 予告見た時からなんか面白そうだなーって思ってましたんで、見てきました。コリン・ファレルって今人気らしいですね。
 情けなくも正直に気持ちを喋るシーンはやっぱいいなーって思います。あれでスチュが悪者ではないってTVで見てる人達にもわかるよねって場面。あんな風に言われたら、浮気の告白だって許す以外にないよね。パムも恨めないし。ある意味良いバレ方だと思う。たぶんスチュは嫁を大事にするでしょう。5年もしたら戻るかもしれないけどね。でもスチュ、がんばりましたよ。
 エンディングの後、スチュはあれが真犯人だってわかってるのかな?警察もピザ屋じゃないって気づくかな?ちゃんと供述とって聞けばわかるとは思うんだけど。きっとあの犯人はまた誰かを標的にするだろうけど、つかまるのかな。生き残れたのはスチュだけだったりして。
 カラむガールズのストッキングに穴が開いてるのとか見て、新谷かおるのクレオパトラD.C.を思い出してしまいましたです。

■東京ゴッドファーザーズ

2003-12-28

 音楽担当が鈴木慶一氏でムーンライダーズだった。そっか。サントラ買おうかな。
 一応、パーフェクトブルーとか千年女優の流れで、どっちも見てて、でどっちも面白かったんですが、今回も面白かったです。
 ハナさんとかすごいオーバーな表現なんだけど、それがアニメの良さっていうか、それができるからアニメなんだよねって思うのですよ。話しとしては実写でもやれる話だし、最近じゃCG使えばどんな絵空事も実写でできる時代なのですが、そこでアニメっていう場合はやっぱ頬の膨らませ方とか鼻息とか、微妙な表現が過剰なのがいいんじゃないかなーと思います。時々、実写でやればいいやん、と思うアニメがあるけど、これはやっぱアニメでないとね、と思う映画です。逆に実写でやった方が嘘くささが目立つかも。
 そうそう、タクシーの運ちゃんが山寺氏だとエンドロール見るまで気づかなくてちょっとショック。
 にしてもハナさんが良い味出してて好きだなぁ。

■座頭市

2003-12-28

 「東京ゴッド〜」と同じ日に、10分しか間がなくて急いで見に行って、ちょっと前過ぎる座席だったんで画像も歪み、首も痛いという、あまり良い状況では見られなかったので、ちょっと失敗だったかなーと。比べると「東京〜」のが面白かったと思うのですよ。
 音楽がさりげなくシンクロしていて、ミュージカルってのとも違うけど面白いです。そう言えばこっちも音楽鈴木慶一氏だった。
 市が強すぎ、ってのが感想でしょうか。強すぎてちょっとつまんない。浅忠が好きなのでなおさらそう思うのですが、もうちょっと浅忠活躍させて欲しかったなー、対市戦で。唯一市に瑕をつけたといえるんだろうけど、一撃はないだろう、一撃は。最後のやっぱ見えねぇオチは好きだけどね。
 TVシリーズみたいな典型的な時代劇手順をちょっと丁寧に作った感じもするんだけど、それがうまく行っているようないないような。なんかうまく言えないけど、細かいところで消化不良な感があるのです。本当にうまく言えないけど。面白くないわけじゃないんだけど。
 海外でも上映してるみたいだけど、どうなのかなー。今までの時代劇という下地を持つ日本人とまったくそういうのがないというか逆に変な風に思ってるかもしれない外人さんでは評価が違うんじゃないかなー。
 そう言えば、浅忠人を切ったあとの刀、振っただけで拭かずに鞘に入れてたけど、あんなことしたら中で血液が凝固して次抜けないんじゃないのかなーって思ったんですが、どうなんでしょう。別に直ぐに誰かに襲われるような状況じゃないんだし、懐紙で拭くなりしてもよさそうな気がするのですが。てか商売道具なんだからさ。宿に帰ってから手入れって間に合うのかな?

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