淋しくて苦しくて悲しくてこの胸を掻き毟っていたら
そこには鍵の掛かった扉があった
この苦しさの元がそこにある気がして、だから
胸の鍵をこじ開けて扉を開いたら
ガラガラと音を立てて、何か石のようなものが足元に散らばった

僕には、とても痛くて悲しくて辛くて苦しいものに見えた

カラカラと乾いた軽い音を立てて転がって、
大きいのやら小さいのやら

急に、まるで虫歯が痛むみたいに胸が痛んで
覗き込んでみたら、扉の中には何もなかった

なんにも

ひゅう、と冷えた気がして
チリチリと神経を焦がしている気がして
僕は、

それを詰め込めばまた苦しくなるって分かってたけれど
それを詰め込めばまた淋しくて悲しくて泣いてしまうと思ったけれど
それでもこのからっぽなのより少しばかりはマシな気がして

悲しくて苦しくて辛いほうが、この染みる冷たさよりもマシな気がして
それを次々と、次々と拾っては胸に詰めていく

次々と次々と詰めていったら
重くて悲しくて涙が出そうになったけれど
あの内側を撫でて行く冷たい空気は感じなくなって
重くて悲しくて涙が出そうになったけれど
少しはマシになった気がした

ぎゅうぎゅうにそれを詰めて、もう少しの隙間もなくそれを詰めて
やっと僕は少しだけ安心する事ができた

結局は悲しくて苦しくて寂しいままだったけれど
悲しくて苦しくて寂しいままだったけれど

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