文章修行家さんに40の短文描写お題

00. お名前とサイト名をどうぞ。また、よろしければなにか一言。

65文字以内で場面を描写、モノログ排除で具体的な場面描写を! とのお題なのですが、すっごい難しい。
文字数制限も厳しいのですが、「場面描写」って具体的にどういうの? と考えてしまいます。
何となく詩に近くなるのは描写力がないからなんでしょうか。
プロの技を見てみたいです。

01. 告白 09. おとな 17. 初体験 25. 生 33. 好き
02. 嘘 10. 食事 18. 仕事 26. 死 34. 今昔(いまむかし)
03. 卒業 11. 本 19. 化粧 27. 芝居 35. 渇き
04. 旅 12. 夢 20. 怒り 28. 体 36. 浪漫
05. 学ぶ 13. 女と女 21. 神秘 29. 感謝 37. 季節
06. 電車 14. 手紙 22. 噂 30. イベント 38. 別れ
07. ペット 15. 信仰 23. 彼と彼女 31. やわらかさ 39. 欲
08. 癖 16. 遊び 24. 悲しみ 32. 痛み 40. 贈り物

01.

今日は天気は良いけど暑過ぎず、日差しは柔らかで風が心地よい。
おなかもいっぱいで。
だから「使徒なんだ」なんて言われて笑ってしまった。

65文字

02.

ユイにさえ、本当のことなど言った事はない。今となっては自分の中に本当があるなどとも思わない。
嘘は付いていない。本当ではないだけだ。

65文字

03.

卒業なんて考えたこともなかったけど、学校どころか何もかもが無くなってしまった。でもいつからか予想していたような気がする。この世の終わりを。

69文字

04.

アスカはすごく行きたがっていた。僕は行けなくてホッとした。沖縄で泳がないなんて無理だし。
LCLは平気なのにな、と実験中に考えた。

64文字

05.

ユイ君からは学ぶことが多かった。知識も経験も私の方が上のはずだが、そんなことは価値にならない。
だから、私では隣に立てないと諦めたのだ。

67文字

06.

グルグルグルグル回っている電車もいつかは止まるんだなと思いながら重い頭を持ち上げる。
ホームには誰もいない。
どこへ行こう。

60文字

07.

どの子でも良いよと言った。彼女が選んだのは割と若いオスで、そう言ったら一瞬つまらなさそうな顔をした。
それからニンマリと笑った。

63文字

08.

イライラすると爪を噛むのは彼女の癖で、彼女は子供っぽいから直したい。
彼女の理想はキラキラの指先で彼を誘惑できる大人の女性。

61文字

09.

大人になったら自分は消えて「碇ユイ」になるのだろうと彼女は思っている。そう望まれていることを彼女は知っていたから。

57文字

10.

それまで彼女にとっての食事はカプセルや錠剤のことだった。外で初めて普通の食事を食べた彼女はそれを「不要なモノ」と判断した。

61文字

11.

読んでも面白いとは思わない。難解な文章は薄っぺらな理解を許さない。
彼女が読むのはあの男であって本ではない。
たぶん、これも絆なのだろう。

67文字

12.

彼女は眠りの中で何も見ない。赤い水の中でぼやけた像を見る。
それは夢だろうか、それとも自分が夢だろうか。
自分が儚いことを彼女は知っている。

68文字

13.

理解できるから仲良くもするし、理解できるから嫌悪もする。
自分はああはならないと思い、あんな風にできたらと思う。
男のほうが絶対に楽。

65文字

14.

他に書くことも思いつかなかったので「来い」とだけ書いた。
「破った後でテープで貼りつけていました」
報告を聞いてバカな奴だと思った。

64文字

15.

男は人を支配する力が神だと信じ、体を機械化してまでも生き長らえてきた。だが最後に、人には何も支配できないと気付き、本当の神を信じた。

66文字

16.

子供の頃の遊びの話で、オペレーター達は色々なものを知っていた。だが、その場にいた他の誰もそれを知らなかった。
そこでやっと三人は気付いた。

68文字

17.

初めて持った銃は重かった。構え方を教わり、引き金を引く。
彼女の脳内には血を流し倒れて行く人間が。
それは「できないこと」ではなかった。

66文字

18.

定時に来てロッカーで着替えながら下らないお喋り。
言われたことをこなして、時間が来たら終わり。
それが自分の仕事の全てだと思っていた。

65文字

19.

いつのまにこんなに上手くなったんだろう。鏡の中の自分は別人のような顔で微笑む。
これは仮面。本当の自分を殺す。

54文字

20.

一瞬で火がついた。口を開けて息を吸って、何とかそこで止める。止められた。それでも胸骨の裏で燻っている。
今でも燻っている。

60文字

21.

人は人に対して隠し事をする。多くの人は真実を知らないままだ。
人は神の写し。
よって神も隠し事をする。
それを暴きたいと思った。

61文字

22.

転校生が例のパイロットだという噂が流れた。
それが本当だとさっき分かった。
わかってしまえば、ただの噂のままが良かったと思えた。

62文字

23.

彼の背に負われながら、彼女は父の事を考える。
彼女を背に負いながら、彼は自分の未来のことを考える。
同じ事を考えている必要はない。

63文字

24.

何をしても違和感ばかりで。
何をしても何をしても、ふと我に返ると気持悪くて止めてしまう。
声や姿が頭の中に満ちていて、そのまま動けない。

66文字

25.

呆然としているあれを見て、あの日を思い出す。
自分も一緒だった。涙も怒りもなく、耳の奥の鼓動を聞いた。
あれは、どう動くだろう。

62文字

26.

無理矢理シャワールームへ押し込まれた。
落ちてくる熱い水滴を顔面に浴びる。
手を開く。何もない。匂いを嗅ぐ。血の匂いはしない。

61文字

27.

ふと視線を感じて見ると、あの男がいた。
遠くてはっきりしないが間違いない。
あいつは観客か脚本家か。どっちにしても掌の猿なのは同じだ。

65文字

28.

昔と変わらない。触れ方も煽り方も。
手を伸ばして撫ぜる背中は少し広くなったかもしれない。
嬉しくて嫌だった。今は気持がいいだけ。

62文字

29.

拘束する「手」に温もりはない。見上げた先にあるのも、恐ろしい「顔」だ。
でもその向こうには君がいる。
だから笑う。伝わるといい。

62文字

30.

世界の人口を半減させた出来事も、始まりの花火でしかない。
それが世界というもので、僅かな人間が企画する。
見えないところに意図がある。

65文字

31.

その時は自分がしてしまったことにパニックで、何がなんだかわからなかった。
あとで自分の胸を触ってみて、その違いにびっくりした。

62文字

32.

本当に傷つけられたわけじゃない。でも痛いのは現実。
疼く肩を抱えて、まるで心を傷つけられ時のようだと、らしくないことを考えた。

62文字

33.

言われなれない言葉だったので、何度も心の中で反芻する。
たかが言葉。音だけのもの。何も残らないのに。
そんな物でも欲しかったみたいだ。

65文字

34.

「嫌な奴」の側にいる。本当に側にいたい人はもういないのに。
最近まともに目を合わせていない。
だがそれは昔からかと思い直す。

60文字

35.

LCLは液体で、その中にどっぷり浸かっている。
けれど、口の中が乾いた感じがする。
緊張はしている。本当は、たぶん、今でも怖い。

62文字

36.

二人だった。私だけが彼女の願いを聞いた。
水に揺れる光と木のざわめきと彼女の匂いを運んだ風。
これが私を支える思い出。

57文字

37.

雪とか凍えるとか吐く息が白いとか。よく先生が言っていた。
「冬は嫌いだったが、こう暑いと恋しいね」
そんなものかと思って聞いた。

62文字

38.

余計なことは何も言わなかった。笑うこともできた。背を向けたからって泣くこともなかった。上出来じゃないって自分に言った。

59文字

39.

人間のことは分かっていたつもりだった。でもどうしたら彼に望む言葉を言わせられるのか、今でも分からない。
特別な言葉でもないんだけどな。

66文字

40.

貰ったのか。それとも何かあげられたのか。彼女に聞くことも出来ない。
最後の幻は無表情で、僕なんかじゃ何も読み取ることはできなかった。

65文字


2007-05-13:レイアウト変更。

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