嘲笑
頭上で遠くで交わされる言葉
蔑み適当にまとわりつき圧し掛かる
無意味と化す拒絶

小さな棘ちくちくと刺す針
はねた油のような痛み

目を閉じる。
違う。違うから。この人は違う。

目を開ける。
白銀の赤。
触れる手は優しいし笑い方も優しい。

強張っているのは気づかれているだろうか。
なんでだと思われているだろうか。

簡単に数えられないくらい抱き合って
馴染んで弾ける頃には何もかもが原型を留めないくらいどろどろになれるのに
まだ服も脱ぎきっていない温もりも半端な時に
優しい甘い言葉の隙間にそれが浮かぶ。

こうして抱き合うのは触れ合うのは埋め込まれ揺さぶられて混ぜあって声を掠らせて喘いで好きだといわれるのは
嬉しいのに。
嬉しいのに。
して欲しいのに。
望んでいることなのに。

小さな棘ちくちくと刺す針
はねた油のような痛み

震えて涙が出る。
止める方法がわからない。

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