都都逸

都都逸・都都一(どどいつ)と言うものがあります。日本の古典定型詩、とでも言うのでしょうか。
短歌・俳句・川柳といった枠に入るものと思います。

初めて知った都都逸は
山のあけびは何見てひらく 下の松茸見てひらく
だというのが何ともはやですが、新谷かおるの「クレオパトラD.C.」に出てきたものでした。
なんつーか、うまいこというなぁ、と思ったんですね。

次に知ったのが
恋し恋しと泣く蝉よりも 泣かぬ蛍が身を焦がす
です。これも漫画から。なるしまゆりの「花天楼」です。これもいいじゃないですか。
正しくは「恋に焦がれて鳴く蝉よりも 鳴かぬ蛍が身を焦がす」のようですが、「恋し恋しと〜」の方が好きだったりします。

そして
三千世界のカラスを殺し 主と朝寝がしてみたい
津守時生の「三千世界の鴉を殺し」ですね。ジュニア小説?とか言うんでしょうか。面白いです。
主と、ですから女性(この場合は女郎さん)から見た歌なんだろうなぁと思います。

いとしいとしと言う心(糸し糸しと言う心)」
というのも前半がついて都都逸になるらしいんですが、これは単純にこの部分が好きです。
旧漢字の「恋」の覚え歌みたいなものかな? 恋旧漢字
愛しい愛しいという心が恋、だなんて素敵じゃないですか?日本語のこういうところが大好きだったりします。

都都逸は遊郭あたりで使われていたらしく、本来は節がついていて三味線あたりを抱えて詠うもののようです。
実際に聞いたことはないのですが、一度聞いてみたいなぁ。

他にもネットでいろいろ探してみました。
気に入ったのをいくつか。

楽は苦の種 苦は楽の種 二人してする人の種

お前死んでも寺へはやらぬ 焼いて粉にして酒で飲む

春の鴬 何着て寝やる 花を枕に 葉をかけて

星の数ほど男はあれど 月と見るのはぬしばかり

もしもこのままこがれて死ねば こわくないよに化けて出る

わしとおまえは羽織の紐よ 固く結んで 胸に置く

ちらりちらりと降る雪さえも 積もり積もりて深くなる

ぬしによう似たやや子を生んで 川という字に寝てみたい

口でけなして心で褒めて 人目しのんで見る写真

この雪に よく来たものと 互いに積もる 思いの深さを 差してみる

遠く離れて会いたいときは 月が鏡になればよい

お前に見しょとて 結うたる髪を 夜中に乱すも またお前

固く結んだ手と手の中で 今度会う日を書いている

指もささせぬ大事な人に 誰がつけたか紅のあと

他にも「お前百までわしゃ九十九まで 共に白髪の生えるまで」も都都逸のようです。
これも結構好きだったりします。

NHKなどで今風の都都逸を募集したりしているようですが、やはり古典の方がなんかしっくりきて好きです。
今風のも「うんうん、わかる」というのがあって面白いんですけどね。
昔の恋愛感が出ているようなのが好きなようです。

参考サイト;
「たちはな亭」 http://park17.wakwak.com/~tatihana/
「Take It Easy」 http://www.geocities.jp/good_job_shimada/dodoitsu/index.html

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文責:Miya、2002-04-18公開、Toメール:miyamiya
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